第11章 2011年02月03日夜 | リアルタイム経済小説「極小企業」

第11章 2011年02月03日夜

「4次元クローゼット」インターネット上ではそこそこ知名度のあるニュースサイトに掲載された。

朝倉は、モニターを見つめサイトのアクセス数の推移を見守っていた。

現実社会で店舗にあたるWEBサイトは、店舗の来客数を数えることができるように訪問者をほぼリアルタイムに知る事が出来る。

便利な機能だと思う反面、なんだか休まらない機能だなと朝倉は思っていた。

携帯を先頭に最近は様々な物を手にするのにタイムラグがどんどん短くなっている。

かの有名なロスチャイルドが伝書鳩を使って情報を先に手に入れ、大儲けしたのは有名だが彼が現代を見たらどう思うのだろうか。

そういう話を意識のテーブルからふるい落とし、朝倉は画面に映る数字とその向こうにいる人々を想像した。

「290」

この数時間でサイトを訪れた人の数だ。

やはりメディアの力は大きい。

数日前まで誰も知らなかった所にたった数時間でこれだけ人が集まるようになる。

マーケティング、そして集客の大切さを感じていた。

あとは会員が何人、入ってくるか。

明日の朝、再びこの画面を見た時、どうなっているのか。

それまではとりあえず忘れよう。

秒単位で、移り変わる数字を見ているのは自分には向いていない。

朝倉はパソコンのスイッチを切った。