第9章 02月02日 深夜 | リアルタイム経済小説「極小企業」

第9章 02月02日 深夜

冬の夜更けとトルストイとプロコフィエフ。

この3つは深い闇を教えてくれる。

朝倉は家に帰り、また闇に潜む魔物と格闘する準備をしていた。

冬の夜更けに、トルストイを読みながら、プロコフィエフを聴く。

この行為は、究極自傷行為にあたるのではないだろうか。そう、朝倉は自らをその状況におきながら考えていた。

この3つの共通点は、解決しないことだ。

永遠を思わせる、長く寒い夜。
問題を定義することを目的に書かれた重い文。
内面の苦を五線譜に記した暗い音。

決して起き上がる事の出来ない様な、絶望と、悲しみ。

希望など幻のように感じさせる暗く冷たい空気。

その真ん中に己をおき朝倉は眠りを迎える。

こんな夜もたまには悪くない。