第7章 2011年02月02日 始まりのとき | リアルタイム経済小説「極小企業」

第7章 2011年02月02日 始まりのとき

創業メンバーの3人が一台の液晶モニターのある一点を見つめていた。

いよいよ、始まりの時を迎える。

このマウスと呼ばれるプラスチック製の装置の右上を叩くだけでサービスが開始すると思うと
デパートの開店セレモニーや幹線道路の開通式のテープカットなど少しばかり大げさで滑稽だなと朝倉は感じていた。

いよいよ、その時を迎えその小さなボタンが叩かれた。

大きなファンファーレも、歓声もない。ただただ、画面上のメーターが一瞬でたまりアップロード作業が完了した事を告げただけだ。

3人はただ何も言わず、それぞれの決意を胸に画面を見つめている。

さあ、いよいよ始まった。これからどのようなことが起こるのかそれはわからない。

未来からこちらに向かってくる事に対して真正面からぶつかっていくことしかこの3人には残されていない。

3人の大きな夢をしまった「4次元クローゼット」は今、世間に解き放たれた。

日本初ファッションシェアサービス「4次元クローゼット」

そう題されたサービスはこれからどのように世間に知られ、広まっていくのか。

しかし、今この時点で3人は「日本初」という言葉の意味の大きさ、待ち構える試練に気付きもしていなかった。