「俺、浦和に住んでいて普段はレッズのサポーターなんですが、でも今日は故郷のチームを応援したくて来ました!」

「浦和の?今日同じ時間に試合あったすべ?そえだのにわんざわざ…」

訛りを隠して話す事に慣れてしまったせいか(気取ってか?)標準語で聞いた俺に、心開いてくれたのかHさんが聞き慣れた秋田弁で返してくれた事でTDKが秋田のチームであると実感する。Jのようなクラブではないが、それを差し引いて「世界的大企業」の名前を冠し、秋田県代表として闘う。誇らしい気持ちになった…。

調子に乗ってタブーである事も聞いた。

「クラブ化してJを目指す気配とかは無いですか?」

「…会社にはその気はねっすな。部活動どしてやらせでけでらども。」

あの頃はまだ夢物語だった…。

…つづく。(なかなか試合が始まらないな)