この年配の方は、中国で一番と言われる病院の眼科で治療法が無いので諦めろと言われていた方です。重症緑内障の方で、すでに中国の病院で白内障の手術を受けて失敗して眼内レンズは脱落して角膜は混濁して、光だけしか感じない方でした。そこで私がアメリカのアイバンクより取り寄せた比較的若い白人女性の角膜移植術を行い、脱落していた他院での眼内レンズを摘出して、新しい眼内レンズを強膜固定して、さらに硝子体手術も併用するという、さらに眼瞼裂が極端に狭い小さい目でした。そこで、眼瞼形成手術も一部行っています。このように5つもの眼科手術を同時に行なった最難関例でした。僕のように角膜移植術、白内障手術、緑内障手術、網膜硝子体手術、眼科形成外科手術といずれも世界最高レベルでの手術ができる眼科外科医でないと、このような困難な症例は治せません。ですから僕以外の世界の他の医師ではこの患者は治せないと言われてもしょうがないでしょうね。

そして僕の手術後に目が見えるようになり、字も書けるようになり、お礼の手紙をくれました。中国語ですが、同行している孫娘が翻訳してくれました。手紙の内容は感謝の言葉に満ちていて、患者さんは、僕のことを、単なる眼科医師ではなくて、『先生は神様です』と結論付けていました。やはり僕の手術技術によって、患者の目を治す奇跡を起こして、患者の感謝と喜びの声を聞けるのが、僕にとって最大のご褒美です。