これらの絵は僕が出展した前回のイタリアのヴェネツィア国際美術展ヴェネツィア・ビエンナーレでの僕の油彩画6作品です。コロナ禍になり海外に自由に行きづらくなり、国際芸術展での活動は控えています。それにしても芸術展での審査というものは難しいのです。僕の作品を世界一だと思っても、審査員の好みでなければ賞は取れません。これに比べると、医学賞はスポーツにやや似ています。つまりスポーツはいかに走るか、どれだけ遠くに飛ぶか、もしくはサッカーやバスケのようにより多くに得点を得るのか、結果がわかりやすいのです。医学も患者の目をいかに治せるか、といったゴールが決められています。ですから僕は国際眼科学会での世界最高賞を20回も取れたし、世界最高の眼科外科医の称号でもあるクリチンガー・アワードを受賞することもできたのです。しかも欧米人医師以外で初めてです。世界の競争ルールが欧米中心でも、圧倒的な眼科手術力があれば世界トップに選ばれるのです。しかし、芸術はそうは行きません。いかに努力しても、欧米の美的基準という曖昧な目安で測られるので、国際標準的な芸術家を志向している僕には圧倒的に不利なのですね。でも眼科外科医として世界一になった体験を、医師より長い画家の経歴を持つ自分なりに、芸術での世界一を目指したいと思っています。