勤務医のメモ帳 -6ページ目

勤務医のメモ帳

勉強したことをメモっていきます。
それ以外のこともいろいろ書いていく予定です。
質問も受け付けます。

カテコラミンなどの循環作動薬を使用する時にはガンマの計算が必要です。

ガンマは記号ではγと書き、略さずに書けばμg/kg/minになります。



ガンマの計算が必要になるのは、だいたい

①この患者さんに○γ投与するにはシリンジポンプの流量をいくらに設定すればいいか。

②今、この患者さんは何γ投与されているのか。

の2パターンだと思います。



つまり、



投与量(γ)↔シリンジポンプ流量



の相互計算ができれば対応できます。



このような単位の計算をミスなくわかりやすくコツとして、

物理学の計算でも同じなのですが、

必ず単位も一緒に計算する

というものがあります。

γだけでなく、他の単位換算などでも同じです。



もう1つ、単位換算のポイントとして、

物理量を合わせる

というのも重要です。

そもそも物理量が異なれば換算は不可能です。

例えば、薬液濃度をシリンジポンプ流量に換算するのは無理です。

濃度と流量は物理量が違いますので。

ガンマとシリンジポンプ設定は両方とも「流量」ですので換算できるのです。



同じ流量でもいろいろな単位があるので換算が必要になるのです。

それではガンマ計算のやり方を見ていきましょう。

基本的には目標の単位に向かって式を変えていけばいいのです。



μg/kg/min(γ)

  ↓

ml/hr(シリンジポンプ流量)



を計算していきます。まず準備としてわかっているものを揃えます。

ここでは、ノルアドレナリンの投与をするとしましょう。

わかっているものは、



患者の体重 50 kg、薬液濃度 6 mg/ 20 ml、目標投与量 0.1 γ



です。



0.1 μg/kg/min → ○ ml/hr



と変更できればOKです。じーっと目標の単位と見比べると、

どう考えても体重のkgは邪魔ですよね。

なので、体重を掛けて消してしまいましょう。



0.1 μg/kg/min × 50 kg = 5 μg/min



となりました。とりあえず体重は約分されて消えましたが、

今の単位の次元は「質量(μg)÷時間(min)」ですので、

目標の「体積(ml)÷時間(hr)」に変更しないといけません。


質量を体積に変換したい。どうすりゃいいのか…。

質量と体積が入っている単位があれば変換できそうですが…。

ありますよね。薬液濃度の次元は「質量(mg)÷体積(ml)」です。


「質量÷時間」を「質量÷体積」で割ると、目標の「体積÷時間」になります。

具体的にやってみましょう。


薬液濃度は6 mg/20 mlです。

これは全体量20 mlにノルアドレナリンが6 mg入っているということです。

質量の単位がmgとμgでずれているのでこのままでは約分できません。

mとかμとかkというのは非常に大きな数や小さな数を表す接頭語で、



1 mg = 1000 μg



ですので、今回の薬液濃度は、



6 mg/20 ml = 6000 μg/20 ml = 300 μg/ml



となります。上の5 μg/minをこれで割ってみましょう。



5 μg/min ÷ 300 μg/ml = (1/60) ml/min


60分の1は割り切れないのでそのままにしておきました。

だいぶ目標に近づきましたね。

目標と見比べると後はminをhrに変換するだけです。

これは簡単ですね。1時間は60分ですから。

きちんと式で表すなら、



60 min/hr



です。これをさっきの式に掛ければ完成です!



(1/60) ml/min × 60 min/hr = 1 ml/hr



よって、シリンジポンプを1 ml/hrに設定すれば、

この患者さんに0.1 γのノルアドレナリンを投与することができます。



以上順を追って計算しましたがわかりましたでしょうか。

慣れてる人にはたいした計算ではないのですが、

最初は戸惑う人も多いようです。


今回の計算にもありましたがもう1つのコツとして、

割り切れない場合はとりあえず分数のままおいておく

というものがあります。

今回のように最終的にきれいに割りきれてしまうことがあるので、

変に小数にして計算するとややこしくなります。