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キン太のいない小屋は静かだった。。

だが、諦めてはならない!
そんな想いが沸き起こる。

まてよ。。キン太が何処かで鳴いているかもしれないぞ。。ふと、そう思った。
たちまち、周囲の音に集中する私。。

すると、どうだろう!
その想いに応えるかのように、遥か彼方で何かが鳴き出した!

キン太だ!!

直感で分かった!

その鳴き声は、キンケイ独特の「ギャーッギャーッギャーッ!」という叫び声。
私は、鳴き声のする方向へ走った!

鳴き声を頼りに、馴れない道を突き進む。。
その時、なぜだか影の軍団のエンディングテーマ「Gの祈り」が頭の中で流れた。

鳴き声が段々近くなって来た。。と同時にワクワクして来た。

そして、ついにキン太の位置が分かった!
それは、キン太の小屋から遠く離れた農家の裏山の上だった。

こんなところまで来ていたのか。。

山には道がなかったが、その斜面を草木を掻き分けて鳴き声のする方へ強引に進んだ。

山の上まで来ると、ぽっかりとした空間があった。と同時にその空間のど真ん中に、周囲の色とは対照的な鮮やかな色があった!

キン太!!

キン太は、木の枝にお約束のように大人しく留まっていた。
キン太に近づき、「おいで。。」と呼ぶと、木から降りて来ていつも仕草をする。

「寂しかったね。。大変だったね。。」とか、キン太に言ったと思う。

ここで、うっかり八兵衛!
キン太を連れて帰るにも、カゴの類いを持って来るのを忘れていた。

仕方がない。両手で掴んで行くしかない。
キンケイは、掴まれると酷く暴れることを知っているので心配。。

イチかバチか、とにかくやるしかない。
「ギュッ!」足元にいるキン太をいきなり掴む!

一瞬、暴れたが、抱くような気持ちで胸の辺りに持って来ると、直ぐに大人しくなった。

私は、キン太を両手で掴んだまま、山の急な斜面を下った。。

帰り道、キン太は両目を閉じて眠っているかのよう。。

私は嬉しく、幸せだった。。(^_^)

キン太が生きてて良かった!

ありがとう!