ここ二、三日、動悸がひどくて気持ちが悪い。心臓発作の前兆じゃないかと不安になるくらい。こういう時、日本だったら医者にかかることができるんじゃないかと思う。あいにくここでは、「三週間後に来てください」なんて言われることが多い。もちろん救急病院もあるにはあるけど、受付のお姉さんに「緊急外来よりふつうに予約をとったほうが早くお医者さんに会えますよ。」と言われたことがあって、以来、あまりアテにしないことにしている。
当地の医者不足は深刻である。だいたい、こういうのを三週間も放っておいたら、治っているか死んでいるかに決まっているじゃないか。ガンの放射線治療なんて一年待ちとか二年待ちで、順番が回ってくる前に亡くなる患者さんが多いって、医療系の知り合いから聞いた。
こんなことになっているのは、ここでも強力な医師会が長年、新規参入を効果的に阻止し続けたことによる。しかも医者不足のおかげでお医者さんの給料が高いのをいいことに、フルタイムで働かない人が増えたので、ますます医者不足が進む始末。さすがにどうしようもないと思ったのか、ここのところ政府は必死になって外国からお医者さんの移民を進めているんだけど、外国産の輸入は国産品と違って品質管理が難しいわけで(失礼!)、いろいろ問題が起きている。
昨年末、企業の健康診断をやっている診療所に行ったら、白人のオーストラリア人のお医者さんが出てきてびっくりしたことがある。「珍しいですね」と話したら、その先生は診療所に来る前に勤めていた公立病院ではただ一人のオーストラリア人医師だったという返事が返ってきた。なんでも周りのお医者さんはみんなアフリカから来た人たちでアフリカーンを話すから、何を言っているのかさっぱりわからなかったそう。かように医者不足はひどい。あぁ、精神科のお医者さんに会いたいなぁ。