うまい。

病み上がりは、やっぱり料理がうまい。
それとも、私の腕が上がったのかしら?

ま、どっちにしろ、今日の一日は、
かなり胃袋を喜ばせたのだろう。

今日は珍しく二食も作った。

先週末、店長がまたなす、じゃがいもやトマトを買ってくれたので、
さらにいんげんやピーマンを加えて、お昼はやはり例の[火会]菜にした。
ホント、なんともいえないうまさ、何食食べても飽きない。
見た目にしろ、塩加減にしろ、今日のはもう最高だった。

夜、久々に面湯が食べたかったので、
トマトとたまごの面湯にした。
うどんもあるが、今日は乾燥のそうめんを使った。
やっぱり、これが実家の味なんだよ。

面湯は冬にも何回も作ったが、
そうめんのはまだ初めてだったかも。
これもまたおいしくておいしくて、思わず自分で感動。
そうだ、その胡瓜もよかった。

仕事時代の土日のお昼、
いつも母と二人だけ食事をしていたので、
簡単なので、母はよくそれを作った。
そして、二人はベランダで、黒酢をたっぷり入れて、
楽しく食べたのだった。

これを書くと、なぜかその頃のことを本当によく思い出す。
いや、やっと勉強から開放されて、また将来についても何も考えていなかった頃だったのだろう。
私はよくベランダで仕事している母とおしゃべりをしていた。
と言うより、私が一方的に語るだけの形に近かったが。

仕事時代、記憶に多く残ったのが、むしろこの休日だった。
母と競ってお芋を食べたシーン、
栗も、とうもろこしも、
本当に、楽しく食べた。

そして、父が帰ってくるのを、また楽しみながら待っていた。
大人でながらも、小さい頃のように、父が何かを買ってくれるのを、待っていた。
夏になると、決まって桃。
母を初め、この家の女たちは皆桃が好き。
いや、桃だけじゃなくて、果物が好きなんだ。
が、父は滅多に食べないのに。
季節によって、いちごだったり、葡萄だったら、すももだったり、杏も、ライチもあった。
とにかく、家は果物が絶えない。

変なことに、小さい頃はあまりねだったりすることができなかったが、
大人になって、さらに社会人になってから、私は自ら注文もし始めた。
これ食べたい、それ食べたいって。

そして、またいつからか、その注文を引き受けるのが楽しそうに見えた父がいた。
明日の朝は何を食べる?って、週末の前日は必ず聞いてくる。
そして、よく昼近くまで寝てる私が、起きると、もう買ってくれていた。

そんな日々、ごく普通だったのだが、
ある日、こんなに懐かしく思い出すなんて、思わなかった。
楽しかった。
と言うより、甘かった。
それも、またうまかった。
人生の味かな。


うまい。
今日初めて店長にほめられた。

いつも野菜を買ってくれた御礼に、午後少し料理を届けに行った。
平日の午後は、店長は大概店にいる。

今までも二回ぐらい自分で作った料理を店長にあげたことがあったのだが、
毎回もいろいろうるさく言われた。
味が薄いとか、これが足りない、それが足りないとか。
そうだ、私が中国から持ってきたお土産も、食えないとか言われたことがある。
いつもひどいことは言うのだが、この人は悪意はないと私は知っているのだから、
何を言われても、あまり気にしない。

冬の餃子だって、あんなに時間をかけて作ったのに、
皮はこう作るべきとか、こしょうを入れるとか、確かに言われた。

だから、店長は口が厳しいから、もって行くのも嫌だったが、
野菜をいつもいただいてるので、やっぱりなんか申し訳ない気が・・・
そして、正直に言って、店長と言う人は、かわいそうなのだ。
少しでも健康なものは、食べてほしいんだ。

で、今日ついに、余計な言葉がなく、うまいとだけ言ってくれた。
ま、ちょうど店長がおなかが空いて、何か探して食べようとしていたところだったからかも。

ま、それは何よりだった。
いつも自分で満足しているのだが、
人にうまいって言われると、さすがに気分が違うな。
だから、昔の私は、絶対に自分に料理を作らないって決めていた。

そして、店長のありがとうを聞いて、私は店を出た。
店長は正直な人、そしてその子供っぽいところが、私はいつまでも羨ましくてならない。
ありがとう、簡単なんだけど、言えない人がいる。


帰ってきて、やっと久しぶりに本を読む気になった。
とりあえず投稿論文の準備で、少し文献を読んだ。
まだまだ集中力が足りないのだが、なんだかいい始まり。
いつか肩にあった重い荷物は、まだ荷物のままなのだが、
何かだいぶ慣れた気がする。
一つ、一つ、大丈夫。


この一週間、なんだか嵐の一週間のようだった。
何年ぶりの風邪、そして展開のわからない物語があった。

喉の痛みもだいぶ治まったようで、
また週末、頑張ってこよう。

あと二週間、何とか仕上げなきゃ。