今日は逆にパッとした予定がなく・・・この日に木村裕子さんのトークショーが入っていればいいのにねえ(この日は中川家礼二さんがトークショー担当)。
 でまあ、シネ・ヌーヴォで<映画文芸散歩>から「台所太平記」「夫婦善哉」を観る選択肢もあったのですが、いずれも過去に観た記憶もあったので、ナナゲイに新作「黄金花」を観に行ってきました。
 美術監督である木村威夫氏の監督作品であり、予想として美術面では注目すべき描写はあるのだろうけど、作品としては突飛な演出で俳優陣がわぁわぁやって付いていけないのだろうなあ・・・と思っていたら、寸分違わぬ結果で何ともはや、でした。
 よくコンビを組んでおられた実相寺昭雄監督の演出にどこか似た雰囲気がありましたが、影響を受けられたのか、それとももともと木村氏の才質にあったものが実相寺監督の演出に溶け込んだのか・・・。
 いずれにせよ個人的には面白味を感じない作品ではありました。
 今日はどの予定を選択しようか迷ったのですが・・・。
 シネ・ヌーヴォで<映画文芸散歩>から「珍品堂主人」を観るか、それとも京橋はOBPの「わくわく鉄道フリーマーケット」で木村裕子さんのトークショーを聴くか・・・。
 結局、梅田ガーデンシネマの大雷蔵祭で「眠狂四郎 炎情剣」「かげろう侍」「お嬢吉三」「剣」の4本ハシゴを選択したのでした。
 ・・・まあ、1日これで終わりですわな(笑)。
 でも、シネ・ヌーヴォの特集上映なども同様の感がありますが、終日こうやってひとつ劇場でワンテーマの映画群を観て過ごすのは、何とも充実感があって困りますねえ。
 ひとつシネコンで新作をハシゴするより充実感あるものなあ・・・やっぱり私は旧作好きなんですかねえ(観に来ている客層が、新作より作品に真摯ということもあるでしょうけど)。
 今日は仕事だったのですが、それが終わってから梅田ブルク7で「真幸くあらば」を観ました。
 今年初の新作鑑賞であったのですが、いやあ1本目から1年に1度出るか出ないかの怪作に出会ってしまいましたねえ。
 2人を殺害して死刑が求刑されている男と、彼の面会に訪れるボランティアの女性(これが主演の尾野真千子さん)のお話なんですが、物語の3分の2まで、基本的に一方通行なストーリーが続きます。
 互いに何か秘めた心情があるようなものの、特段それが描かれることなく、思わせぶりな描写と、変に画的な効果を狙った寄りに寄ったカットばかりが続きます。
 退屈です。劇場のそこかしこから、寝息が聞こえてまいります。
 3分の2を過ぎたあたり、尾野真千子さんが自分の素性を明かし、秘密の通信が始まり、とあるものを渡したあたりから、地すべりのように物語が、関係性が動き出します。
 クライマックスは・・・何と言うか情交的なものなのですけどね、死刑囚と情交などできるわけはないですから、ナニをするわけなんですが、そのナニの描写が賛美歌調のテーマ曲で壮麗に演出されてしまって・・・。
 いやあ、どうにも付いていけないままに上映が終わって、自分たちを乗せずに去った列車を見送るように劇場で呆然としている観客が印象的でした。
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本日も梅田ガーデンシネマで「大雷蔵祭in大阪」から「眠狂四郎 無頼剣」を、続いてシネ・ヌーヴォの「映画文芸散歩」から「青べか物語」を鑑賞しました。

「眠狂四郎 無頼剣」はプログラムピクチャーとして楽しみつつ、若い頃の藤村志保さんはチェ・ジウさんに似ていることを感じたりしました。

一方の「青べか物語」は黒澤明監督の「どですかでん」に通うがごとく、ある地域の騒擾的な人々を取り上げた作品ですが、いかに人間臭いとは言え、そういうタイプの人物像があまり好きではない私には乗り切れず・・・。

 本日は、先日チケットを取得していた「侍戦隊シンケンジャー」のシアターGロッソ公演(ことは&茉子の舞台挨拶付き)があったのですが、いろいろ考えた末、今回は東京行きを見合わせたのでした・・・。

 まあ、先月東京へ3回も行くことになりましたし、経済的に少々厳しいものがあったことがひとつの理由ですね。
 一方で、2006年に左遷への反動と言うか、対抗策として趣味を充実させて乗り切ろう!と考えたのはよかったのですが、いったん「冒険」を是としてしまうと、その後はなかなかこれを縮小しづらい個人的風潮がありまし
て・・・。
 確かに東京へ行くといろいろと面白いんです・・・しみじみ、日本は<東京と<それ以外>という構造になっている・・・こと、エンターティメント業界においては・・・と実感するほどに、東京にはここでしか成立していない文化(舞台挨拶・トークショー・握手会・ヒーローショーなど)があるわけです。
 もちろん地方からも財力と体力と時間をかければこの文化構造に参加はできますが、それはやはり背伸びであって、なかなかそれを維持し続けるのは難しいものがあります。
 「冒険」の楽しみをどこかでセーブして、2005年までの水準に戻さなくてはならない・・・という思いがあり、念頭のこのイベントを見送ることにしたのでした。


 一応、今年のテーマは「地道に地ならし」でありまして、華やかかつ激動の2009年から、次なる飛躍への体力を養う意味でも、軸足を地元・大阪に置いていろいろ環境整備をしていきたいと思っていますしね。
 と言いながら、去年も「静謐」というのがテーマであったはずなのに、何が「静謐」なものかという1年でしたからねえ・・・。


 ということで、泣く泣く取得したチケットは見送ることになってしまったのですが(それでも往復の交通費を考えれば、かなり金銭的にはセーブできたことにはなります)、そのうち一部はkatsuさんのご協力を得てお譲りす
ることができて(転売ではない)少しホッとしました。
 完全にムダにしてしまうのは、舞台挨拶の神様にお叱りを頂戴しそうな気がしますので・・・。

 で、大阪でじっとしているのも何ですし、観たい作品でもありましたので、書き初めならぬ観初めで、シネ・ヌーヴォの<映画文芸散歩 Vol.1>という特集から田中絹代監督作品の「恋文」と、年をまたいで開催中の梅田ガーデンシネマは<大雷蔵祭in大阪>から「斬る」を観てまいりました。
 特に「斬る」は三隅研次監督のシャープな演出がたまりません。
 前々から存じている名匠でありますが、構図といい凄愴感といい、私好みですね。
 改めて少し追いかけてみたい気持ちがしてまいりました。

 ・・・と、それはそれなりに満足した映画日和だったのですが、やはり終わってみても、どこか食い足りない感がありますねえ。
 東京へ行けば良かったなあ、という気持ちがよぎる・・・行ったら行ったで、「行ってしまったなあ・・・」という反省の気持ちと現実的な金銭問題に直面しているはずなのですけども。


 ブログの開始年が「地道に地ならし」ではたして面白いのか・・・。

 去年書き始めていたら、面白い内容になったかも知れませんねえ。