ひとりの修羅 鏡を見るように一人の詩人に涙する どうにもならない自分にもがき苦しむ わたしもまたひとりの修羅なのだ まことのことばはうしなはれ 雲はちぎれてそらをとぶ ああかがやきの四月の底を はぎしり燃えてゆききする おれはひとりの修羅なのだ (宮沢賢治『春と修羅』より)