SKY-HIが昨年12月にリリースしたアルバムJAPRISONから「Role Playing Soldier」のMVが公開された先日。








現在アルバムツアー真っ只中、…とは言っても数日後にはそのツアーもファイナルを迎える訳なんですけど、このJAPRISONのツアーが終わる前にMVが公開された意味も感じ取りたいなぁなんて思いながら見て、感じ取ったことを言葉に残しておきたいなぁと思ってMVを見終えてから画面に文字を打ち始めたところです。









実はこの曲、私自身じわじわと好きになった曲で今やアルバムの中でも一、二を争うくらい好きな曲なんだけど、最初に聴いただけではなんだかピンとこなくて…可視化されてから好きになった曲でした。









初めてこの曲を“ライブ”という可視化された形で受け取れたのはアルバムJAPRISONリリースから5日後、12月17日の話です。









当時SKY-HIはアルバム発売に伴って各地でリリースイベントをしていて、「公開新曲練習会」と称してツアーThe JAPRISONに向けて無料のイベントでアルバムの曲たちを披露してくれてたのですが、








今回MVを公開したRole Playing Soldierだけは一度も歌ってくれることはありませんでした。








勿体ぶっていた訳でもなく、決して自信がなかった訳でもなく、恐らく本当に大事にしてリスナーに手渡そうとしてくれていたからなのかなって今更ながら思います。








「公開新曲練習会」で歌われることがないまま、アルバムツアーまではもうライブの予定がないっていう日々に入ったところでひとつイベントがありまして。







実況アナウンサー清野茂樹氏との、
「ラップ」と「実況」で物語は作れるのか!?






っていう、一部では“謎イベ”と呼ばれたくらいには異色なコラボレーションのイベントで、その日の一番最後にRole Playing Soldierをサプライズ的に披露してくれました。









イベントの趣旨にも合わせて、所謂曲の1番はSKY-HIが歌って2番は清野氏が1番のSKY-HIの歌詞を聞き取って実況をするという流れ。








ゲーム音から始まるこの曲はタイトルのようにRPGがテーマになっていて、勇者とモンスターが出てくるんだけど、






プレイヤーにコントロールされて敵を殺したり、逆に敵に殺されたらやり直してまた戦わせられたり、






はたまたモンスターも悪役として世界征服をする前提で街を襲ったり、正義のヒーローと戦ったり、








よくあるゲームの話なんだけど、そして私はよくあるゲームの話だと思っていたからピンときていなかったんだけど、









そこに存在する本当の気持ちって忘れられてない?って教えてくれる曲でした。勇者の人生、勇者の気持ち。モンスターの人生、モンスターの気持ち。








初めてライブでこの曲を歌ってくれた時にSKY-HIはこの曲が「大事な曲だからちゃんとした形で届けたい」みたいなことも前置きで言っていて。






大事な曲として受け取ろうとちょっと構えてしまったからなのか、SKY-HI自身がどことなく切なそうに歌っていたからなのかはわからないけど、ライブで聴いた時に初めてストンと自分の中に入ってきました。






SKY-HIに続いて清野氏の実況も、SKY-HIが歌った勇者のストーリーを聞いただけなのに奇跡的にモンスターの気持ちまでも汲み取って実況をして。それを聞いてまた更にストンとハマって納得して、、、








実際やり直しのきかないこの世界で、一度自ら発した言葉は二度と戻ってくる訳ではなく、行動も取り返しは付かず、時にそれが誰かを傷付けたり、自分自身を苦しめたり。






過去にSKY-HIは2016年12月リリースのシングル「アイリスライト」という曲の中でも





“君の嫌いなあいつも大切な誰かの未来図を作るため 泣きながらナイフを振りかざして 自分も傷を負ってるのかも”


“戦うことは悪か正義か”






って歌っていたり、2016年1月リリースのアルバム「カタルシス」の「フリージア」でも






“誰かの犠牲の裏に誰かの幸福”





って歌っていたりして。
いやまあ本当にどこまでもブレないSKY-HIのすごさも改めて感じながら、、それぞれの人生があること忘れがちだけど忘れちゃいけないなって。






SNS社会では他人叩きは日常茶飯事で、メディアの情報に踊らされて「アイツは悪物だ」と言われれば確かではない情報だとしても総叩きにしたり、






芸能人に同じ人間であることを忘れて距離感を間違えたコメントをする人がいたり、顔を合わせて話す状況だったら絶対に言わないような言葉を投げてしまう人がいたり、






そういうのって相手のこと全く考えられてないから起きることで。私も怖いんだよね、知らぬ間に自分の発言が誰かを傷付けてるんじゃないかとか不快にさせてるんじゃないかとか、あの時の発言はあの人にとっては最低な発言だったんじゃないかとか。







他人の気持ち、他人の人生を傷付けないことも本当にめちゃくちゃ大事だけど、同時に自分の気持ち、自分の人生も知らぬ間に傷付けていないかっていうのもこの曲のおかげで考えられるようになりました。







誰しも時に自分の脳内で考えたことが自分の気持ちを殺すことだってあると思うんです。思った言葉を発したり行動にする勇者も自分自身だし、そんな勇者をコントロールするのも自分自身だし。








「自分が我慢すれば大丈夫…」って状況になった時自分で自分を殺してたりすると思うんです。



誰かに何かを頼まれて本当は「嫌だな」って思うようなことも笑顔で引き受けてしまうとか、



何かの間違いに気付いて「それは違うよ!よくないよ!」って言いたいのに立場的に言葉を飲み込んでしまうとか。







私は思い返すとしょっちゅう自分で自分を殺してしまってるなと思う。







みんな意外と自分のこと大事にできてなくて、他人のことも大事にするのは難しくて、でも個と個で世界は作られていて、








誰しも属する組織や社会が存在する中で自分のことだけ考えて生きている訳にもいかないし、他人のことだけ考えて生きている訳にもいかないし、やっぱりとっても難しいんだけど人の気持ちや人生、どんな人にも愛する家族や仲間がいるっていうことまで忘れてはいけないなと思います。






誰だって自分を傷付けられることも、自分の愛する存在を傷付けられることも、悲しいし寂しいし苦しいから。そこで感じた負の感情を別の場所でまた誰かに振りかざしてはいけないから。








今回のMV、最後に敵同士だったはずの勇者とモンスターが共に「戦いの世界」の壁を打ち破って外の世界に飛び出すのですが、






それこそこの曲も入っていて、今ツアー中のアルバム「JAPRISON」ではそういうことまで歌ってくれているので。






みんな無意識的に閉じ込められている世界に存在してるんだよね。それが社会だったり、学校だったり、家族や友人のコミュニティだったり。自分で自分を閉じ込めてしまっていたりもあると思うし。







思っていた以上にアルバムの中でも監獄の世界を抜けた先で会うためのキーになる曲でしたRole Playing Soldier。







リリースからもう4か月も経つアルバムに未だにこんなに考えさせられたり気付かされたりするなんて思わなかったなぁ。







音楽に正解はないんだろうけど、どれも正解であるくらい幅を持たせてくれるSKY-HIの音楽はいつ受け取っても最高です。すごい。








あ、Role Playing Soldierはライブでの見せ方も個人的には予想外だったので本当に深く考えずライブで見るだけでも楽しい曲です!(それもすごい)







今回のMV、というか曲を作るところから始まって、たくさんの人が関わっていて、そうまでしてこの曲で伝えたいことを届けてくれるSKY-HIとそのチームにこうして受け取らせてくれて「ありがとう」ですね。





またツアーのファイナルで見るRole Playing Soldierがとても楽しみです。