腕に消えない模様を入れる。
脚に消えない模様を入れる。
顔に消えない模様を入れる。
体に消えない模様を入れる。
お金を払って、入れてもらうその模様は、
消えにくく、色褪せず、
特殊な処理をしない限りは、無くなりはしない。
だが逆に、処理できないことも無いのだ。
再びお金を貯めて頼めば、消してもらうこともできる。
また前のように、綺麗に元通りになるのだ。
けれどそれは触ることの出来る部分の話であって。
私の心には、大きな模様が入っている。
何故だかは分からない。
いつ入れたのか、いつお金を払ったのか、
全く記憶には無いのに、
何故かそこに、確実に何かの模様があるのだ。
それがいつも、私の邪魔をする。
考えるとき、動くとき、
どうしてもそのことが頭をチラついて、
どうしようもない状態になる。
何も出来なくなることだってある。
身動きが取れず、思考も出来ず、
息苦しさに倒れそうになる。
この模様は、いつになれば薄まるのだろう。
色褪せ消え落ちるまで、一体どれほどの時間が必要なのか。
弦導 貴月は呪われている。
レッテルとも噂とも違う、傷跡というには生々しすぎるこの模様。
一体、いつ誰が剥がしてくれますか?