お腹が空いて、

仕方が無くて、

冷蔵庫には何も無いから、

戸棚のクッキーを食べることにした。


食べたことが見付かると、

酷く怒られてしまうから、

こっそりと2枚だけ缶から抜き取って、

あとは元通りにしておいた。


けれどクッキー2枚くらいじゃ、

お腹は全然満たせない。


あと2枚。

あと2枚だけ、抜き取ろう。

そっと戸棚に近付いて、

缶からクッキーを抜き取り、食べる。


繰り返せば全部なくなると、

知りながら。

気付かないふりをして。

2枚ずつ食べる。


ようやく満たされたところで始めて、

自分は引き返せないところに居ると気が付く。


たった2枚の幸せに、慣れすぎた。

ずっといつも2枚ずつ、君から幸せを貰っていたのに。


いつも、たったの2枚だけど、

それはかけがえの無いものだったと今、気付く。