余剰資金がある人は、オフショア保険やオフショアファンドなどの投資詐欺に注意したい。
そのためにも日本の法律を知っておくことが重要。
第186条第1項
「日本に支店等を設けない外国保険業者は、日本に住所若しくは居所を有する人に係る〈中略〉保険契約を締結してはならない。」
違反した場合は「2年以下の懲役若しくは200万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する」
日本で保険会社として許認可を受けていない外国の保険会社は、日本居住者への販売はできない。
日本の国内で勧誘や販売、締結がなされたオフショア保険は違法になる。
この186条1項の規定は、条文では無認可の外国保険業者に対する日本国内での保険契約締結禁止を定めているが、国外で活動する保険業者にまでこの禁止命令を適用することはできない。
第186条第2項
「日本に支店等を設けない外国保険業者に対して、日本に住所若しくは居所を有する人〈中略〉に係る保険契約の申込みをしようとする者は、当該申込みを行う時までに、内閣府令で定めるところにより、内閣総理大臣の許可を受けなければならない」
違反した場合は、「50万円以下の過料に処する」
保険加入者に対して、日本国内で認可されていない保険に加入する場合は、事前に内閣総理大臣から許可をもらうことを定めている。
条文通りに解釈するならば、海外生命保険やオフショア生命保険に加入する場合、まず最初に日本国総理宛てに許可申請を出さないといけないことになる。
対象は日本の居住者のため、日本に国籍を有していても、海外勤務や駐在などで、所得税法の日本の非居住者であれば、事前の届け出なしに加入しても問題ないと解釈できる。
一方、海外旅行や海外出張者などは、日本の非居住者にはならないので、たとえ海外で保険契約を締結したとしても、この規定を免れることはできない。
話題に上がるのは、欧州の歴史ある大手の保険会社やペーパーカンパニーなどの信託会社の長期積立型の投資商品。
保険会社だと、IFA(インデペンデント・ファイナンシャル・アドバイザー)という独立系の金融機関にその販売を委託し、IFAはロンドンやニューヨーク、シンガポール、香港などの金融都市に多く存在する。
このIFAへの紹介者が嘘や間違った情報を伝えて、契約者に不利な契約させている話を聞く。
以下のような話を聞いたら、要注意!
① ✖️平均年利10%以上で資産が増える。
年ベースでマイナス運用にもなることもあり。ドルコスト平均法を使うことで、増えたり減ったりしながらコツコツと外貨資産を形成するのは、国内で正規に購入できる積立投資などと同様。
オフショア積立の平均利回りでも、優秀なIFAで6%くらいなので、平均年利10%以上は過大。
② ✖️積立開始2年目までは多い金額を積み立てる。
積立開始2年目までに積み立てた資金は、初期口座に入り、この中のお金は満期時まで引き出すことができない。
契約者が最初に設定した積立金が高いほど、紹介者に多くのコミッションが入り、保険会社もこの初期口座資産から年6〜7.5%の手数料を強制徴収する。
③ ✖️最低でも20年以上で契約する。
契約期間は、基本5年から25年の間で選択できる。契約者の年齢が高ければ、満期時を考えて短めに設定する方が良い場合もある。
契約者が長期契約をすれば、紹介者に入ってくるコミッションが多くなる。
④ ✖️契約書や契約後のやり取りは英語なので、翻訳料などの手数料がかかる。
基本的には、IFAが無料で翻訳する。
などなど、よく考えて検証すれば、嘘や過大だと分かるいくつかの勧誘トークのパターンがある。
IFAについては、香港やシンガポールの金融庁への登録の有無がチェックできる。
香港:SFC(Securities & Futures Commission of Hong Kong)
シンガポール:MAS(Monetary Authority of Singapore)
それぞれのホームページ内に登録業者の検索サイトがある。
もし、海外駐在中に、合法的にIFAから適切な説明を受けて、自己責任で商品選びをした人は、問題ないだろう。
一方、投資詐欺のトラブルに遭遇した場合は、泣き寝入りをせずに、消費者センターや金融庁の「金融サービス利用者相談室」などに連絡すること。
トラブルの解決をサポートするための機関などが紹介されて、実際の解決には、海外投資に精通した弁護士やFPなどへ相談することになるだろう。
余剰資金のある人は、オフショア投資詐欺のトラブルに巻き込まれる可能性があるので、ご注意を!