ビールには、本物と偽物が存在する。


日本の市場には、本物のビールは数%。あとは、ビールに似せたアルコール飲料が占める

いわゆるビールは4つに分類されて、酒税も異なるという。

第1のビールビール麦芽(麦芽比率67%以上)・ホップ

第2のビール :発泡酒 、麦芽(麦芽比率25%未満)・ホップ・大麦・米・コーンスターチ・糖類

第3のビール :その他の雑酒 、ホップ・糖類・大豆たんぱく・酵母エキス

第4のビール :その他の雑酒 、麦芽エキス・ホップ・糖類・大豆たんぱく・香料・乳化剤・甘味料

日本の食品表示では、第4のビールに添加される「香料」や「乳化剤」の添加物は、どれだけの量が添加されていても、この表記になってしまう。

「糖類」と「コーンスターチ」には、遺伝子組み換え(GMO)が使用されていることが多い。


そのため、せっかくビールを飲むのであれば、少々値が高くても、本物のビールを適量飲もう!
ハイネケン(オランダ):ハイネケン

大手メーカーの国内産ビールで、第1のビールに入るのは、
キリン:「チルドビール」(4銘柄)「ハートランド
アサヒ:「プライムタイム
サッポロ:「ヱビスビール」「ヱビス〈黒〉」「畑から百三十年
サントリー:「モルツ」「プレミアムモルツ


ビールの銘柄別シェアは、高い順に「スーパードライ」「一番搾り」「ラガー」「黒ラベル」。この4大銘柄には共通点があり、麦芽とホップのほかに、コーン(とうもろこし)・スターチ(澱粉)の3種類が添加されている。広告でまじりっけなしのうまさ」とか、「本物のうまさ」というコピーを見ると、ブログ管理人は「どこがやねん」と突っ込みたくなる。


米ブロガー「FOOD BABE」のバニ・ハリ氏も、2014年には、キャンペーン「Tell us what’s in beer(ビールに何が入っているのか明らかにせよ)」で、世界最大のビールメーカーであるアンハイザー・ブッシュ・インベブ(ベルギー)がバドワイザーとバドライトの原材料に水、麦芽、米、イースト、ホップと公表。そして、ハリ氏や他の研究者、消費者保護の活動家などは、多くのメーカーが食欲を損なうような材料を使っていると主張。

内臓
魚の内臓からとりだしたコラーゲン。とくに「ウキブクロ」と呼ばれるものはビールに使うと、優れた浄化剤となる(米スミソニアン協会が発行するスミソニアン・マガジンによると、残留イーストや固形物を除去する効果がある)。そのために、ベジタリアンやビーガン(卵や牛乳もとらない完全菜食主義者)はドイツ製のビールを選んでいるとスミソニアンは指摘。ドイツではビールに何が使えるかを規定する「純度に関する法律」があり、メーカーはこれに従わなくてはならない。

昆虫からとった着色料

コチニールビートル(エンジムシ)は、赤い染料を作る際に使われる虫で、ビールの着色に使われることがある。この着色料に深刻なアレルギーを持っている人もいる。


カラメル色素

多くの清涼飲料水に着色料としてよく使われているカラメル色素もビールに使われることがある。ハリ氏は「マウスを使った実験で、この着色料が肝臓や肺、甲状腺の腫瘍の原因となる発がん性物質であることが分かっている」ため、問題だと話す。ほとんどのビールはたいてい焙煎した麦の色をしている。


遺伝子組み換え(GMO)トウモロコシ

アルコールを作るには、糖を含む何かを発酵させる必要がある。ビールの場合、たいてい大麦が使われる。だが、醸造業者の中には発酵を早めるため、トウモロコシ(GMOトウモロコシの可能性が高い)を加えているところがある。ただ、もともとのトウモロコシの粒は廃棄されるので、GMOトウモロコシが最終的なビールの材料というわけではないという。


プロピレングリコール

ビール愛好家にとって、泡が重要。ビール会社にとっても、プロピレングリコールが重要になる。泡の安定剤としてよく使われる有機化合物で、同じ物が電子タバコや動物用の薬剤、凍結防止剤にも使われている。FDA(米食品医薬品局)によると、この有機化合物は「長期にわたって大量に摂取しても、明確な有毒作用はない」という。



ブログ管理人は、下戸なのでビールは飲めないが、海外出張で乾杯の挨拶のときにだけ少しなめた、ドイツやオランダ、ベルギー、英国などの冷やしていないぬるいビールの中には、本物の第1ビールがあった。



日本ビアジャーナリスト協会:日本のクラフトビール図鑑

友清哲:日本クラフトビール紀行


日本のクラフトビールでも、探せば、第1のビールに巡り合えるだろう。


2019年1月26日

2019年8月15日 更新



【参考・引用】

「あなたの知らないビール原料 魚の内臓や昆虫も 日本のビールもどきの発泡酒には何が、、。」WSJ、2014.6.20

http://rief-jp.org/ct12/44692