![]() | 日本は世界5位の農業大国 大嘘だらけの食料自給率 (講談社+α新書) 905円 Amazon |
生産高ベースで見れば、日本は66%と他の国に見劣りせず、日本の農業生産額も約8兆円で、世界5位。日本はれっきとした農業大国だと、浅川氏は主張。
一方、生産額ベースでも、2013年で68%と高くはなるが、それでも先進国中で最低で、真の食料自給率は、もっと低いのではないかと危惧する農家もいる。
畜産物に関しては、エサの自給率も按分される。卵は、ほぼ国産(95%)であっても、ニワトリのエサの大半が輸入(エサの自給率が10%)なので、真の卵の自給率は9%になるという。
また、食品廃棄も大量に発生し、その廃棄分のカロリーも分母として含まれるので、廃棄が多いほど低くなる。
野菜や穀物で検討すると、ほとんどの農家が使っている化学肥料、特にリン酸・カリウムは、ほぼ輸入に頼っているのが現状。大規模農業には、トラクターなど農業機械が必要で、その燃料の軽油やガソリンなどは、外国から輸入した化石燃料(チッソは国内製造だが、製造に必要なアンモニアを生成するために、莫大なエネルギーが必要)。
今や、日本の野菜や穀物は、肥料もエネルギーもすっかり外国に依存している。
日本のエネルギー自給率は約4%。語弊を承知で大ざっぱに言えば、生産にかかるエネルギーを按分した日本の“真の食料自給率”は「39%×4%≒1.5%」なのかもしれない。
アメリカは、リン鉱石とカリウムを「戦略的物質」と位置づけて輸出を禁止。肥料価格の高騰は日本の農業に多大な影響を与え、いつまでも外国から輸入できる保証もない。自給率を「国防」という観点から考えるのであれば、食品単体ではなくそれを生み出す肥料やエネルギーなど、トータルに考えなければ意味がない。
1980年代のキューバでは、今の日本と同じぐらい自給率が低かった。その農法も、ソ連から入ってくる石油や化学肥料に頼った「現代農法」だった。1990年代初頭のソ連の崩壊でエネルギーや肥料の輸入はストップ。さらにアメリカからの経済封鎖も加わり、「餓死者が何万人も出るのではないか」と言われた絶体絶命の危機に、(当時の)カストロ議長が目をつけたのは、化学肥料に頼らず大量のエネルギーも必要としない「小規模有機農業」。
その結果、キューバの農業自給率は飛躍的に上がり、今では有機農業の先進国となっている。
日本が忖度しているうちに、隣の中国やロシアでは、粛々と農業改革が進んでいる☟。
https://ameblo.jp/do-not-stop-thinking/entry-12434193482.html
日本人B層の自衛として、小規模有機農業の「かかりつけ農家」を(購入して)支えたり、家庭菜園で自給自足に取組みたい。