フランスで即禁止された除草剤のラウンドアップ。
ラウンドアップには、環境保護運動家や専門家が長年発がん性を指摘するグリホサートを含む。
2017年11月に欧州連合(EU)がグリホサートの認可を5年更新したが、フランスのエマニュエル・マクロン大統領は、2021年までにグリホサートの使用禁止を約束。
2019年8月には、米カリフォルニア州で除草剤の健康被害リスクについて十分に知らされていなかったと訴えた末期がんの男性の主張を裁判所が認め、バイエル(モンサントを買収)に対して7,800万ドル(約84億円)の損害賠償の支払いを命じた。
南仏リヨンの行政裁判所は、規制当局が安全上の懸念を考慮せずにラウンドアップの販売許可を出したと判決を下し、2019年1月15日にフランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)は、判決を受けた声明で、除草剤「ラウンドアッププロ360」の販売は即日禁止されたと発表。その関連商品の販売も禁止。
一方で、日本では、日産化学がモンサントと独占契約を交わし、現在は3代目となる「ラウンドアップマックスロード」を販売。初代の製品の特許が切れて、ジェネリック品がホームセンターや100円ショップで安く売られており、ラウンドアップと同じ成分が入っているとは知らずに、家庭菜園や自宅の除草に使っている人も多い。
厚生労働省は、グリホサートの残留基準値を大幅に緩和し、小麦で6倍、ライ麦やソバで150倍、ヒマワリの種子で400倍に引き上げた。
世界で発がん性が指摘されているのになぜ緩めたのかの質問に、厚生労働省食品基準審査課の回答。
名前は言えませんが、ある農薬メーカーから基準値を上げてほしいとの申請があったのがきっかけです。基準値の緩和要請はメーカーや政府などができますが、さまざまなところからこの10年間に5度ありました。加えて、食品国際基準に合わせることも考慮して、今回、残留基準値を緩和しました。ただし、緩和したといっても、科学的な知見に基づいて設定しているため、健康に影響は出ないと考えています。
日産化学の広報は「グリホサートの安全性は、国連の専門家会議や日本の内閣府食品安全委員会などで確認されています」という。
[参考・引用]
桐島 瞬:「おそらく発がん性あると」世界中で規制が進むモンサント除草剤の残量基準値を、なぜ日本は大幅に緩和したのか、@niftyニュース、2018.9.28