ニュースとスポーツ中継以外は普段あまりテレビを見ないが、最近欠かさず見る番組ができた。
Eテレで、毎週月曜22時50分より放映されている「おとなの人形劇」。演目は吉川英治著『新•平家物語』。1993-95年に放映されたものの再放送らしい。
『新•平家物語』は大好きな作品!
父が歴史小説が好きで、親戚から借りて読んでいた吉川英治の書籍の数々。その中でも、大河ドラマになったこともあり、父がいない時に拝借して読んでいたのが『新•平家物語』。
当時私は小学生なので少々ミーハー気分で読み始めたが、どんどんのめりこんだ。
歴史の通り、平家は壇ノ浦で滅び、源氏も頼朝は自分以外の血統を廃したあげく自身もまだ壮年の内に亡くなる。どちらも救われない事態に陥るが、作品の最後は穏やかな光景で終わる。
ある一つの時代を時を制した勢力の側に立って書くのか、反対に立って書くのか、それによって歴史の色彩があまりに違うのにいたたまれない気持ちになった。
この場合、平家は物語の終末に向かっていくほど滅びの色彩を纏う。しかし、滅びの色彩はかえって彼ら彼女らの心を浄めているような気がする。
人形劇。甲冑や衣を身につけた人形がどんな表情を出すのかと恐る恐る見ていたが、人形が人間らしく動き、声を担当されている俳優さんたちもすばらしい。次第に人形劇であることを忘れてしまう。
昨日の放送分では、平家は都落ちし、木曽義仲が上洛した。物語はかなり動いている。