みなさま、ご無沙汰しております。まさに１ヶ月ぶりでございます。毎日会社から泣きながら帰宅しております。そんな中まぁなんとかやっております。
そんな世知辛い毎日を送っている中で、私、リトルマーメイドを３回見ました。前回のブログではベタ褒めな今作品でした。しかし、人間というのは悲しいもので、何度か顔を合わせると、相手の嫌なところも見えてきてしまうのです。新婚さんでいうと半年ほどでしょうか、些細なところが気になってきてしまうのです。私も実写版リトルマーメイドと３回顔を合わせて、「ぬぬぬぬぬ・・・」と感じるところが見えてまいりましたので、そのような部分を今回記していこうと思う所存でございやす。
項目としては、「①声を失ったアリエル」「②アンダー・ザ・シー」「③トリトンの娘たち」「④クライマックス」です。
まず「①声を失ったアリエル」です。私、この１ヶ月でアニメ版リトルマーメイドもディズニー＋にて２度ほど視聴させていただきました。そのときで一番アニメ版にあって実写版にないなと思ったのが、「声を失ってからのアリエルの魅力」でした。声を失ったのであれば、アリエルに残されたコミュニケーション手段は「表情」と「ボディランゲージ」なのです。アニメ版のアースラも言ってたでしょ？「ボディランゲージ！ハッ！！！！！」って。アニメ版のアリエルは頷く際にも何度も何度も頷いて、体もはつらつ動かして、表情豊かで、そしてよく笑う！
しかし実写版はどうでしょう、少し見劣ってしまうところが見受けられました。私、ディズニーキャストをやっているとき、先輩のキャストから言われました。「自分が思っている１０倍大袈裟に体を動かして！２０倍笑って！！」と。身振りと笑顔は大袈裟なくらいやらないと印象に残らないのです。私はアトラクションキャストだったので、シートベルトをしめる動作もおかしいくらい大袈裟に、そしてスピールの最後はとんでも笑顔でゲストに接していました。あんまりにも大袈裟すぎる動きからゲストから笑われることもありましたが、笑ってもらえらればゲストを楽しませるという目的を満たしているので私の完全勝利です。今回のアリエルは声を失っているので、声を使えない分尚更表情と動きは大袈裟に振る舞うべきだと思うのです。今思えば声を失ってからのアリエルの印象って頭に残ってますか？アニメ版アリエルは声を失ってからの印象も魅力の１つだったので、そこが今回実写版の残念な点でありました。
続いては「②アンダー・ザ・シー」です。「なんだお前、前回アンダー・ザ・シーとキス・ザ・ガールベタ褒めやったやないかい」という声が聞こえてきそうですが、これだけは言わせてください。「なんでアリエルがハモって歌ってんねん」と。考えてみてください。なぜセバスチャンはアンダー・ザ・シーを歌ったのか。この歌は、セバスチャンが人間の世界に憧れを抱いているアリエルに対して、改めて海の底の生活の素晴らしさを説くために書き上げたソングなのです。
そんな歌なのになぜアリエルが一緒にノリノリになってシンギングしてしまっているのか。かなりメタ的に考察すると、今回のセバスチャンはアニメ版から設定変更が施されています。アニメ版では音楽家ということで、セバスチャンは大きな海の楽団を持っており、アンダー・ザ・シーはそんな仲間たちと共に歌い上げます。
ところが実写版ではセバスチャンは執事長という設定となっているため、そんな楽団はいません。そのため彼はアンダー・ザ・シーを基本1人で歌い上げます。その都合で、アリエルの歌声を挿入しないとアクセントがつかないといった事情があるのでしょう。そう思うと少し仕方がない部分もあるのですが、アリエルが歌っちゃったらアンダー・ザ・シーの歌の意味が本来のものと乖離しちゃうだろ、というのが正直な感想ではあります。
そして３つ目は、「③トリトンの娘たち」です。今回、なんと「トリトンの娘たち」という楽曲が割愛されているのです！！なんということ！！イヤン！アニメ版ではトリトン王が７人の娘たちを召集する際、アリエルの姉６人で歌い上げる劇中歌があり、姉たちの綺麗な歌声を聴くことができました。
しかしながらこちらでもメタ的に考察すると、アニメ版を見ればわかるように、この姉たちの歌はセバスチャンの指揮のもと歌われています。しかしながら今回は先述のようにセバスチャンは音楽家ではなく執事長であり、楽団、姉たち擁する合唱団を指揮する義理、腕前がないのです。その設定を守るための必要な割愛であったので、なんとも悲しい結果ではあると思います。実写版の「トリトンの娘たち」は、実はディズニーシーのマーメイドラグーンシアターでも見ることができます。いや、正確には見ることができました。いつ復活すんねんキングトリトンコンサートぉぉぉぉぉ！！！！！
そして最後「④クライマックス」ですね、ここは他の人たちも何人か言ってました。エリック王子溺れてるだけやないかいということです。アリエルが頑張ってアースラを倒している最中、エリックは終始あわあわしているだけでした。ここは、エルサやモアナ、ボニーやラーヤに見られるような最近のディズニーのトレンドである「たくましい女性像」を描くという意味では悪くない描写ではありました。
でも、もう少し頑張ってよぉエリックぅぅ。まぁでも実際人間である私があの荒波の上であんなでかい化けダコを見てしまえば、死を覚悟し、なるべく気づかれないよう息を潜めます。エリック王子のようにジタバタできるような勇気はありません。勇敢だったぞ、エリック。さすがだ。万歳だ。ちなみに私は海で泳ぐのは苦手です。なんかベタベタしません？プール派ですね断然。何の話なんだこれは。
というわけで実写版リトルマーメイドの何か引っかかる、期待と違った点をつらつら長々と記しました。正直今回セバスチャンから音楽家の要素を消したのは何でだろう。。。それによって生じてしまう悲しい割愛や設定の矛盾がいくつか生まれてしまったので、これを犠牲にしてまで音楽家設定をなくす大きな意義はあったのかな、と思いました。これからしばし考えてみることにします。
私は実写版ディズニー映画を見る際に楽しみにしている要素の一つとして、劇中歌がどのようなアレンジが施されているのか、というものがあります。今回の「トリトンの娘たち」やシンデレラのネズミたちが歌う「仕事のうた」など、消えてしまった劇中歌はどう供養されるべきなのか。悲しくなっちゃうよ私。
なのでディズニー社。映画の実写化をする際は、劇中歌はなるべく消さないでくれ。この声が海を超えることを祈って、床につこうと思います。まだ午前ですが。