Rocky's baseball report=第100回高校野球選手権大会決勝戦…その展望 | スポーツを語ろう-ZE!!

Rocky's baseball report=第100回高校野球選手権大会決勝戦…その展望

決勝戦…

結論として全体的な予想はたてにくいし、はっきりしたことは全く想像つかない。

だが、以下に記すことはポイントとなりそうだ…

そのうちどれかひとつでも現実味を帯びれば一気に試合の流れが加速する可能性は高い。接戦の可能性もあるが…おそらく9回までには決着がつきそうな気がする。
以下、展開的に考えられるポイントをいくつか述べてみる。

○大阪桐蔭にとっては、金足農・吉田の高めのストレートと低めの変化球が厄介になりそう。西谷監督からも「なるべくこの二つには手を出さない」よう指示が出るだろうが、ナインがどこまで徹底できるか?

○金足農…おそらく大阪桐蔭先発は根尾でくる。根尾もここまで見ていて…最終的になんとかおさえてはいるが抜群というほどの安定感はこれまでのところでは感じられない。
だから失投やカウントのはやい甘いはストライクは逃さずどんどん積極的に打っていく。それでいて臭い球はファウルでカットする。これがどこまでできるか。
もちろん完璧のピッチングをされたらお手上げの可能性もあるが、そうだとしても吉田より先に攻略してしまえばよい。そういう展開に持ち込めるかどうか。

○金足農…根尾の場合…「継投で横川」という可能性もある。
横川の方がタイミングが合う可能性も高いが登板回数が少ない分スタミナロスも小さいことが十分予想されるため横川に限らず継投に入る前に優位にたちたいところ。前日完投の柿木の登板の可能性は試合の最後の方ぐらいしかあるまい。

○金足農…おそらく大阪桐蔭は浦和学院戦での藤原のホームランを見るまでもなく直球系は絶対に強い。しかし昨日の済美・山口直の変化球に手こずったあたり変化球の対応についていけていない打者も何人かいる。おそらく金足農・吉田のこと。そこはチェックしてくるだろう。
しかし、全員が全員そうではあるまい。直球が滅法強いのは誰、どちらかというと変化球の方が得意そうだ、という選手をあらかじめ整理しておいた方がいいかもしれない。これまで逆の攻め方を選択をして致命的な敗北に追い込まれたケースは結構見てきている。

○大阪桐蔭…逆に大阪桐蔭にとっては当然、上記の点を踏まえて狙い球をある程度絞る必要性が出てくる。とりわけ金足農・吉田の球はストレートはもちろんだが変化球でも済美・山口直の変化球いじょうにスピードがあるだけにその分見極めもしづらい。昨日の攻撃面での反省点としてどれほど考慮に入れているかが問われる。

○大阪桐蔭…金足農・吉田が一人で投げてきたことによる疲労は当然大阪桐蔭サイドも考慮に入れてあるはずで、これは大阪桐蔭にとっては有利な状況。しかも選手層で言えば大阪桐蔭の方が断然厚い。このあたり…経験豊富な西谷監督だけに有利に生かしてくるはずだ。また、対照的にここぞというところで効果的な継投を仕掛けてきた大阪桐蔭サイドはこの決勝戦も継投のタイミングは熟考した上で実行するのが当然必要とされる。

○言うまでもないが、あとはミスには最大限気をつけるなど、体力戦、神経戦持久戦を強いられる。
「俺たちが勝つんだ」という気迫をいい形で維持した方に凱歌が上がるだろう。
ただ、金足農は「秋田初制覇」「東北初制覇」を意識しすぎて色気からくるような"空回り"をいかに防ぐか。
一方大阪桐蔭は、「史上初の二度目の春夏連覇」への重圧は当然かかるだろう。
それでも、彼らとて百戦錬磨だけにそこは意志の強さで克服できると思うが、問題は日本人特有の判官贔屓からくる「金足農への声援」である。
近年では相手への応援を「自分への応援だ」と思うことで対処する球児も多いが、そういう意識に持っていけるかどうか。

そして、くれぐれも最後まで油断をしないこと。
これは両チームには、特にこの両チームには「大義名分」があるため、念には念を、というくらい強調して、あとはがっぷり四つに組んで、最後まで戦い抜いてほしい。