ハマのロッキーのベースボールレポート:仙台育英ー東海大相模=ゲームセット!
第97回全国高校野球選手権大会
決勝戦 試合終了
東海大相模(神奈川)
202 200 004 10
003 003 000 6
仙台育英(宮城)
東海大相模 10-6 仙台育英
東海大相模は45年ぶり2度目の優勝
東海大相模が序盤大量リードをしたときには「このまま相模がいくかな・・」と思われたが、予想を遥かに超えた打ち合いにはなったものの、結果的には・・まるで今大会を象徴するかのような理想的な展開となり、今大会は幕を閉じた。
仙台育英は佐藤世、東海大相模は小笠原・・結局大方の予想通りの先発となったこの試合・・やはり、リリーフの百目木もたまにマウンドに上がっていたとはいえほとんど一人でマウンドを守ってきた佐藤世が要所要所で甘く入ったところを序盤から逃さずとらえられたのに対して相模・小笠原は今大会は何回かは吉田が先発をしていたというアドバンテージもあり序盤は佐藤世に比べれば余裕の見られるピッチング・・その差が3回表にして4-0というスコアに表れ、相模のワンサイドゲームの様相も呈し始めていた。
ところが、やっぱり相模・小笠原にとっても決勝戦の重圧やそこにいくまでに蓄積された疲労感は克服しきれなかったのかもしれない。2回まで0に抑えていたとはいえ、3回あたりから球が高めに浮き始めていた。あるいは味方が4点のリードをくれたことで、エースとしての自覚もあって「このリードを何としても守り抜くんだ」という思いがかえって空回りした部分もあったのかもしれない。インタビューなどを聞く限り小笠原は責任感の強い男。その意識がかえってピッチングを窮屈にした可能性もある。それに加えて3回は味方のエラー、そして仙台育英サイドの「クサイ球はすべてファウルでカットして絶好球を引き出す、そうすることが球数増加によるスタミナロスにも繋がる」といった判断だと思うが、仙台育英打線のしぶとい攻撃に捕まり、3点を献上して一気に1点差に詰め寄られる。一方、味方も本調子とは思えないながら本調子ではないなりに一生懸命粘りのピッチングを見せる仙台・佐藤世のわずかな投球の綻びを突いて2点を追加して、「これで相模が決着をつけるのではないか」というムードを作るのだが、仙台もしつこく小笠原を攻め立て、6回には小笠原としては不用意とも言えそうな四球から満塁のチャンスを掴み、二死満塁からタイムリースリーベースで走者一掃の三塁打でまさかまさかの3点差からの同点に繋げ、6-6としてしまう。ただ、ここで紀伊のセンターへ抜けようかという打球を小笠原が好捕。こうしたファインプレーが後々好影響を与えることになる。
同点になってから、追い詰められたような格好になった相模に対して仙台育英のエース佐藤世はスイッチを入れ直したのか球のキレがかえって増し始めた感じがあった。大会を通じて、談話などから「実にタフなハートを持ったピッチャーだな・・」と思っていたが、序盤点をとられたことで開き直ったこと、そんな中味方が6点とられていたのを追いついてくれたこと・・
それで吹っ切れたのか、急にストレートがそれまでにも増して低めに決まり出し、それにともないフォークもそれまで以上に有効に決まり始めて突如相模が打ち倦み始めた。低めに決まりだしたことで主に縦回転の佐藤世の投球がさらにまとまりを見せ始めたのに対して、フォームもピッチングの組み立ても横回転主体の小笠原が内外角の際どいコースをなかなかストライクにできず、さらに高めに浮きがちになり始めたことで試合の流れが仙台にいってしまったかのような感じもあった。
この時点で右の吉田にスイッチ、という選択肢を東海大相模・門馬監督も持っていたのてはないかと思うが、門馬監督はあえてそれをやらなかった。
私自身は門馬監督の性格をある程度察しているから言えることだが、「小笠原をエースにたてた以上、結果がどうなろうとできれば最後は小笠原で」の考えがあったのだろう。そこに門馬監督のこだわりがある。
だから少々打たれても、まだ同点ということもあって小笠原をそのまま続投させた。
佐藤世、小笠原・・ともに本来のピッチングペースを取り戻したせいもあり、6回に同点になってからはあっという間に終盤へ。8回になっても流れが相模から仙台に移ったまま・・という印象は変わらなかったが、9回表に突如異変が起きた。この回先頭のエース・小笠原が初球をライトスタンドに叩き込んだのだ!
9回だけに、1イニングしか残されていない中でのこの1点リードは大きい。実際一瞬だと思うが意気消沈したのだろう。そこから仙台の歯車が一気に狂いだした。千野が二ゴロに倒れたあと宮地が三塁線を破るツーベース。続く杉崎がショートへのタイムリー内野安打。しかしこれをショート平沢が悪送球。その間に宮地が生還して8点目。杉崎も二塁へ。このあたりから明らかに仙台サイドの動揺が見え始めた。そして次打者豊田の中越え二塁打で失策から二塁に進塁していた杉崎が帰り9-6。さらに磯網のセンターへの犠牲フライで二塁走者豊田が三塁へ。ところがこのときセンターが転倒。そのわずかな隙を突いて三塁に進塁していた豊田が一気にホームを陥れて10-6。試合は完全に相模のペースになってしまった。
仙台に対して残念だったのは、本塁打を打たれた佐藤世が一死後長打を打たれたものの、何とか引きずることなく気を取り直して懸命に投げていたのに、野手の方が動揺してしまったこと。
対照的に相模は・・昨年1点差で敗退したことで初戦で甲子園を去り、その後も秋の県大会準決勝でも延長に入ってから平塚学園に1点差で負けた挙げ句、春のセンバツ出場を逃してしまった・・以来より1点にこだわり、「ムダな1点はやらない、とれる1点は確実にとる」、門馬監督以下選手たちまでが全員その姿勢にこだわってこの一年間練習してきた・・
セカンドからタッチアップした豊田がセンターが転倒したと見るや、一気にホームまで陥れたそのプレーこそがある意味今年の相模野球の集大成・象徴といえるものだったのかもしれない。
大きなアドバンテージを得た相模はその裏の攻撃も3人で仕留め、見事45年ぶり2度目の優勝を果たした。寄しくも原貢監督時代に初優勝した70年夏と同じ10-6というスコアで・・まるで原貢氏が昨年の大会からシナリオを書いてその通りに導いたかのように・・
敗れた仙台育英も、エース佐藤世は東海大相模を相手に大量点を失いながらも最後まで伸びのあるストレートと落差の大きいフォークで立派に立ち向かい続けた。そして平沢以下野手陣も、最後は力尽きたものの東海大相模・小笠原の剛球に怯むことなく存分に食らいついていった。
東海大相模、仙台育英・・
高校野球100周年を飾るにふさわしい、大会を象徴した好ゲームで両チームとも最後まで、理想の決勝戦を演出してくれた。

決勝戦 試合終了
東海大相模(神奈川)
202 200 004 10
003 003 000 6
仙台育英(宮城)
東海大相模 10-6 仙台育英
東海大相模は45年ぶり2度目の優勝
東海大相模が序盤大量リードをしたときには「このまま相模がいくかな・・」と思われたが、予想を遥かに超えた打ち合いにはなったものの、結果的には・・まるで今大会を象徴するかのような理想的な展開となり、今大会は幕を閉じた。
仙台育英は佐藤世、東海大相模は小笠原・・結局大方の予想通りの先発となったこの試合・・やはり、リリーフの百目木もたまにマウンドに上がっていたとはいえほとんど一人でマウンドを守ってきた佐藤世が要所要所で甘く入ったところを序盤から逃さずとらえられたのに対して相模・小笠原は今大会は何回かは吉田が先発をしていたというアドバンテージもあり序盤は佐藤世に比べれば余裕の見られるピッチング・・その差が3回表にして4-0というスコアに表れ、相模のワンサイドゲームの様相も呈し始めていた。
ところが、やっぱり相模・小笠原にとっても決勝戦の重圧やそこにいくまでに蓄積された疲労感は克服しきれなかったのかもしれない。2回まで0に抑えていたとはいえ、3回あたりから球が高めに浮き始めていた。あるいは味方が4点のリードをくれたことで、エースとしての自覚もあって「このリードを何としても守り抜くんだ」という思いがかえって空回りした部分もあったのかもしれない。インタビューなどを聞く限り小笠原は責任感の強い男。その意識がかえってピッチングを窮屈にした可能性もある。それに加えて3回は味方のエラー、そして仙台育英サイドの「クサイ球はすべてファウルでカットして絶好球を引き出す、そうすることが球数増加によるスタミナロスにも繋がる」といった判断だと思うが、仙台育英打線のしぶとい攻撃に捕まり、3点を献上して一気に1点差に詰め寄られる。一方、味方も本調子とは思えないながら本調子ではないなりに一生懸命粘りのピッチングを見せる仙台・佐藤世のわずかな投球の綻びを突いて2点を追加して、「これで相模が決着をつけるのではないか」というムードを作るのだが、仙台もしつこく小笠原を攻め立て、6回には小笠原としては不用意とも言えそうな四球から満塁のチャンスを掴み、二死満塁からタイムリースリーベースで走者一掃の三塁打でまさかまさかの3点差からの同点に繋げ、6-6としてしまう。ただ、ここで紀伊のセンターへ抜けようかという打球を小笠原が好捕。こうしたファインプレーが後々好影響を与えることになる。
同点になってから、追い詰められたような格好になった相模に対して仙台育英のエース佐藤世はスイッチを入れ直したのか球のキレがかえって増し始めた感じがあった。大会を通じて、談話などから「実にタフなハートを持ったピッチャーだな・・」と思っていたが、序盤点をとられたことで開き直ったこと、そんな中味方が6点とられていたのを追いついてくれたこと・・
それで吹っ切れたのか、急にストレートがそれまでにも増して低めに決まり出し、それにともないフォークもそれまで以上に有効に決まり始めて突如相模が打ち倦み始めた。低めに決まりだしたことで主に縦回転の佐藤世の投球がさらにまとまりを見せ始めたのに対して、フォームもピッチングの組み立ても横回転主体の小笠原が内外角の際どいコースをなかなかストライクにできず、さらに高めに浮きがちになり始めたことで試合の流れが仙台にいってしまったかのような感じもあった。
この時点で右の吉田にスイッチ、という選択肢を東海大相模・門馬監督も持っていたのてはないかと思うが、門馬監督はあえてそれをやらなかった。
私自身は門馬監督の性格をある程度察しているから言えることだが、「小笠原をエースにたてた以上、結果がどうなろうとできれば最後は小笠原で」の考えがあったのだろう。そこに門馬監督のこだわりがある。
だから少々打たれても、まだ同点ということもあって小笠原をそのまま続投させた。
佐藤世、小笠原・・ともに本来のピッチングペースを取り戻したせいもあり、6回に同点になってからはあっという間に終盤へ。8回になっても流れが相模から仙台に移ったまま・・という印象は変わらなかったが、9回表に突如異変が起きた。この回先頭のエース・小笠原が初球をライトスタンドに叩き込んだのだ!
9回だけに、1イニングしか残されていない中でのこの1点リードは大きい。実際一瞬だと思うが意気消沈したのだろう。そこから仙台の歯車が一気に狂いだした。千野が二ゴロに倒れたあと宮地が三塁線を破るツーベース。続く杉崎がショートへのタイムリー内野安打。しかしこれをショート平沢が悪送球。その間に宮地が生還して8点目。杉崎も二塁へ。このあたりから明らかに仙台サイドの動揺が見え始めた。そして次打者豊田の中越え二塁打で失策から二塁に進塁していた杉崎が帰り9-6。さらに磯網のセンターへの犠牲フライで二塁走者豊田が三塁へ。ところがこのときセンターが転倒。そのわずかな隙を突いて三塁に進塁していた豊田が一気にホームを陥れて10-6。試合は完全に相模のペースになってしまった。
仙台に対して残念だったのは、本塁打を打たれた佐藤世が一死後長打を打たれたものの、何とか引きずることなく気を取り直して懸命に投げていたのに、野手の方が動揺してしまったこと。
対照的に相模は・・昨年1点差で敗退したことで初戦で甲子園を去り、その後も秋の県大会準決勝でも延長に入ってから平塚学園に1点差で負けた挙げ句、春のセンバツ出場を逃してしまった・・以来より1点にこだわり、「ムダな1点はやらない、とれる1点は確実にとる」、門馬監督以下選手たちまでが全員その姿勢にこだわってこの一年間練習してきた・・
セカンドからタッチアップした豊田がセンターが転倒したと見るや、一気にホームまで陥れたそのプレーこそがある意味今年の相模野球の集大成・象徴といえるものだったのかもしれない。
大きなアドバンテージを得た相模はその裏の攻撃も3人で仕留め、見事45年ぶり2度目の優勝を果たした。寄しくも原貢監督時代に初優勝した70年夏と同じ10-6というスコアで・・まるで原貢氏が昨年の大会からシナリオを書いてその通りに導いたかのように・・
敗れた仙台育英も、エース佐藤世は東海大相模を相手に大量点を失いながらも最後まで伸びのあるストレートと落差の大きいフォークで立派に立ち向かい続けた。そして平沢以下野手陣も、最後は力尽きたものの東海大相模・小笠原の剛球に怯むことなく存分に食らいついていった。
東海大相模、仙台育英・・
高校野球100周年を飾るにふさわしい、大会を象徴した好ゲームで両チームとも最後まで、理想の決勝戦を演出してくれた。
