日本シリーズのここまでの展開についての私見と私なりの今後の展望(改訂版) | スポーツを語ろう-ZE!!

日本シリーズのここまでの展開についての私見と私なりの今後の展望(改訂版)

周知のとおり、中日ドラゴンズが敵地福岡ヤフードームで福岡ソフトバンクホークスに2連勝。いいスタートを切って本拠地ナゴヤドームで第3戦を迎える。

今季限りでの勇退が決まっている落合監督にとって、「有終の美」を決める準備は着々と整いつつあるといっていいだろう。なにしろ過去のシーズンはもちろん、過去のシリーズと比較しても落合監督の表情には容易には揺るぎなさそうな自信を感じる。ここまでの2試合をみていても中日打線の相変わらずの貧打…これについても計算済みだと思うが…はともかく、大きな采配ミスといえば満塁で浅尾拓也を投入したことくらいだろう。ただし、ここだけはいかなる理由があろうと致命的な采配ミスを導きかねないので注意が必要。満塁になる前に交代するか、ひとまず吉見を続投させて、せめて満塁の状況を解除させてからその結果を受けて次の一手を打たなければならなかった。
これは結果論などではなく、私が確信している持論である。実際に投げている投手の立場に立って考えてみよう。最悪歩かせても押し出しがありえないためその分ストライクゾーンをいっぱいに使えるケースとボールカウント計上に限りがあるためその分ストライクゾーンの使い方が狭められる満塁のケースとどっちがフルに力を出せるか。
満塁にしたのは吉見。だからこの満塁での責任投手は吉見である。
落合監督にしてみれば、満塁になってしまった以上吉見ではたえられない、浅尾の方が確実に抑えてくれそうだ…という見込みがあったのかもしれない。また、もし吉見で崩されて大量点でもとられたらシリーズの流れがホークスに移ってしまう…そういう考えがあったのもわからなくはない。だから難しいところでもあるのだろうが、それでもせめて吉見のかえ時については…ちょっと考えが足りなかったのではないだろうか…満塁にされたことでかえって吉見がシャキッとするかもしれないし、「吉見で乗り切れる可能性も考え、乗り切ったら浅尾でリレー」という可能性をもう少し考慮に入れても良かった。
正直、私にも「まぁ浅尾なら大丈夫かな…」という気持ちがあった。しかしそれだけにこの同点打…それですんだのにもラッキーな面があると思うが…しかしやはりそんな状況をみていて¨満塁での登板というのはピッチャーにとってはかくも難しいんだな…¨と思ったものである。百戦錬磨、実力・実績ともに満点の浅尾をもってしてさえこの結果なのだ。これは投手心理を考えれば当たり前のこと。
一方で「じゃあ監督心理については考えたの?」と言われそうだが、これを上手にやれないと一歩間違えれば大量失点になりかねない。そこをしっかり判断することこそ監督の仕事であり、できなければ失敗である。
だから、もうワンテンポ早い段階でかえるならかえるか、満塁にした以上一旦吉見を監督が辛抱して続投させるか…
落合監督にしてみれば、同じ打たれるにしても吉見が打たれるのと浅尾が打たれるのとどちらが被害が少ないか、浅尾なら最小限ですむのでは、という判断もあったのだろう。事実たまたまホークス打線の拙攻などもあり同点ですんだのも御の字ではあったことはあった。もっともそれこそ結果論であり、浅尾なら最小限の痛手ですむ可能性があるなら逆もまた然りなのである。つまり満塁でのセカンドランナーの動きや浅尾のその日の調子その他によっては火に油にだってなりかねない危険性もある。
いずれにしても今回は難しかったとして、できれば基本¨満塁では極力交代はしない¨方がやはり被害は最小限ですむと思っていた方がいい。

さて、中日が接戦での打たれ強さをいかんなく発揮したのに比べ、ソフトバンクの方はかなりの遅れをとった感は否めない。私は中日の粘り強さを考えていたため力量的なソフトバンクの優位は認めていてもそうそうすんなり中日が勝たせてくれるかどうかについては疑問を抱いていた。しかし想像以上に打線は湿ったまま火を噴く気配が見えず、クローザーの馬原は連日の抑え失敗と、単に「大方の予想に反している」などといった感じではない。何より本拠地福岡ドームの観客の熱狂ぶりを生かしきれなかったのは痛い。

ホークスサイドはここで焦ったりしないことである。
馬原にメドがたたなくても幸いファルケンボーグにドラゴンズ打線がもう一つ合ってないし、そもそもソフトバンクのあの重量打線なら反撃の糸口さえつかめば少々のハンデなら十分覆せるだけのものは持っている。しかも足がある。これもここまでは谷繁の肩に封じ込められているものの、形勢が逆転するなどハマったときには相手投手にかなりダメージを与えるものを持つ。
だからあまり追い詰められた心境で戦うのではなく、冷静に突破口をさぐればよい。あとはソフトバンクのピッチングスタッフも中日のそれと遜色がないので、先発が試合を作って中継ぎがしっかり踏ん張って馬原の復調を待てば十分戦いになる。
いずれにしても、中日には自分たちの型にハマった野球がある程度できているからあとはそのペースを維持すること。ソフトバンクは早く自分たちの野球を取り戻してらしさを出すこと。

あとは両チームとも打線に打ち損じが目立つのでそこをどうするか。
波に乗った中日はともかく、特に持ち味が存分に出ていないソフトバンクの戦い方が今後の展開を左右しそうだが、それだけに両軍とも打線がさらに確実性を発揮できるかどうかも一つのポイントとなりそうな気がする。