第91回高校野球選手権総括−4 | スポーツを語ろう-ZE!!

第91回高校野球選手権総括−4

これまで、今大会について投攻守のうちの「攻」「守」について説いてきた。最近は攻守ともメジャーを含めたプロの選手でも雑な人が多く、今大会に出場した高校生を手本にした方がいいのではないかというくらい全体的にレベルが高かった。少なくとも上位進出チームに限れば、打者はバットを上から振り下ろして打球を地面に叩きつける。ライナー性の打球は低い弾道から伸びてスタンドイン。
そして守れば基本に忠実。それでいて積極的かつある面では攻撃的ともいえるディフェンスをみせた。恐らく各校の指導者も彼らが最大限力を出せる環境作りに腐心したからだろう。あとはキャッチャーの配球などから守備位置の判断等がより正確にできればプロ入りしてからも早期にレギュラーに食い込む者が出てきてもおかしくないのではないかと思う。
今大会はそれだけ投攻守すべてにわたって完成されたチームが多かった。素材だけなら過去の大会で聖地を沸かせた選手達の方が上だったかもしれないが、基本を一生懸命大事にした結果だろう。全体的に水準の高いチームが集まり、また目を覆うようなミスをする選手も例年に比べるとほとんどきかなかったような気がする。それも今大会出場選手達の特徴だろう。とにかく今大会をみる限り全体的にレベルアップした野球をみせてもらったように思う。
さて、本日は残された「投」についてである。だが、「攻」「守」には収穫の方が目についたのに対し、唯一大きな課題を感じたのが「投」だったような気がする。
ただし、それも個々の投手達についてどうこう云々を言うわけではない。確かに菊池雄星という大本命がいたとはいっても決して全体的にずば抜けたレベルを誇っていたというのではないだろう。少なくとも松坂やマー君、佑ちゃんのときほど目を見張る好投手がいたわけではない。目玉の菊池にしても、素材自体は確かに松坂らにひけをとるものではないにせよ、大会前半はなかなか調子を整えきれなかった。それでも徐々に本来の力を発揮し始めるとさすがというべき投球を披露。打ち込まれた中京大中京戦もアクシデントからきたものだからこれはもちろん評価の対象とはならない。ただ、先に述べたような、大会前半に見られた調子の上がらない時期をどうするか。特に初戦の長崎日大戦では味方の大反撃がなければあわや初戦敗退の危険性も十分あっただけに、今後は調子のよくない状態の中をいかにして乗り切るかだと思う。素材が申し分ないのはいうまでもないし、判断能力も相当高いものをもつだけにその部分でのさらなるスキルアップが望まれる。
菊池の話が少し長くなったが、先にも述べたとおり今大会では投手陣に関していえば、菊池や中京・堂林あたりを別にすれば決して超のつくほどには水準は高くない。それでも全体的には日本文理・伊藤や都城商・新西らのようなそこそこバランスのとれた投手も結構目についた。それを考えるとある一定ラインはクリアできているともいえる。あえて苦言を呈するところがあるとすれば、“死球が多いのでは”という声がちらほらあることくらいである。
問題点を感じたのは個々の投手達よりもむしろベンチの方に感じた。ここで結論をいえば、“継投のタイミング”である。
といっても、状況によって継投が困難なのは先刻承知である。それでも「ここはせめてこうできなかったのか」というポイントはいくつかある。
それを次のこのコーナーで、思う限り詳しく述べたいと思う。