今季の日本人メジャーリーグ・ピッチャーの展望−2、私が期待をかけるのは…
言うまでもないことだが、異国の地で生きていくには母国とは違うその土地の環境に適応していくことが不可欠だ。
もちろん野球においてもこのことは同様である。松坂からのコメントを引用するまでもなくマウンドの硬い土、そして今年のWBCでも問題になっているがボールの皮や縫い目の違い等からくる違和感…
それでも、岡島や斎藤隆ら短いイニングですむリリーフにはさすがに影響が少ない。一方であれほど勝手の違いに悩まされていた松坂も昨年苦しみながら好成績をあげた。松坂は一年目も重圧や使用球を含めた環境の違い等の苦難と戦いながらも15勝と2ケタの勝ち星をあげているが、去年は3つ上乗せの18勝をあげたばかりでなく内容においても格段の進歩をみせた。それが負け数の大幅な減少(13→3)と防御率の改善という形となって表れた。だからそんなものは慣れてしまえばこっちのものである。
とは言っても、まだまだ時折脆さの見られるところに彼のメジャーリーガーとしての未完成度もみてとれる。そのあたり彼自身がどういう対応をとるかが彼の今シーズンを左右するだろう。もっとも、ムラっ気の激しい彼だけに過度の期待はするものではない。彼に過剰な負担を与えるばかりでなく、その期待のあまりの大きさがゆえに万が一不発に終わるようなことでもあればその分大きな失望も伴いかねない。それでもこれまで数々の伝説を築き上げてきた“平成の怪物”だけに、やはり今季彼がどんな戦いぶりを繰り広げるのか楽しみにしたいものだ。
ところで、ある意味そんな彼以上に私が気になるのは誰か?ドジャース黒田博樹と松坂と同じレッドソックスの田沢純一だ。
黒田は去年、9勝10敗3.73の成績をあげた。まずまずといえばまずまずである。
しかしながら、15勝をあげながらも高いサラリーや内容の悪さなどもあってどことなく物足り印象の否めなかった松坂の一年目よりも下回る。それでも黒田の一年目で松坂に唯一、それも大事なところで勝っていた部分がある。
それは、再三私が口にしているように「ボールが滑る」「マウンドの土があわない」などの違和感について黒田が一言も口にしていなかったことだ。このあたりに広島東洋カープという、失礼ながら強いとはいえないチームで常にエースとして黙々と球団を支えてきたという、松坂とは違った部分でのピッチャーとしてのプライドを感じるのである。黒田は今でも古巣カープのことを常に気にかけているという。いつも前向きなメンタリティーで臨む松坂に対して黙々とチームのために投げる黒田はまるで見事に“陽と陰”を描いているようにもみえる。
さてその黒田だが、松坂が一年目に味わった違和感、松坂という前例があるとはいえ当然これは黒田にも何らかの意識と実感はあったはずだ。まして黒田の一年目もいいときと悪いときと差が大きかっただけにその影響が決して小さかったとは思えない。しかし黒田がそれについて口にしたという話は聞いたことがない。単に黒田が口にしたにもかかわらず報道にのらなかっただけ、ということも考えられるが、黒田の寡黙な性格を考えても口にしなかったから報道がなかったと考えるのが自然なような気がするが、そうだとすれば何があっても泣き言を言わない黒田の精神力はやはりタフだ。
2年目からは自らの経験による違和感の緩和、そして先に触れた黒田自身の強靭な精神力。これプラスアルファがいい形で噛み合えば松坂以上に面白い形でブレイクすることもあり得るのではないかと思うのだ。それが私自身、黒田が面白いと思う理由だ。
一方、もう一人の田沢だがレッドソックスのファレル投手コーチによれば田沢はプレッシャーなどには一切動じないという。黒田のそれとはまた違うが、その強靭なハートはどこへいっても通用するものであり、実際田沢は大学生をパーフェクトに抑えたのを皮切りにこちらもこれまで並みいるメジャーリーガー相手に快投が続いているという。もっとも田沢の場合は怖いもの知らずできている可能性もあるが、それでもあのタフなハートは頼もしい。報道を聞く限りやはり無鉄砲にアマチュアからいきなり未知の大海へ飛び込んだクチではないようである。
それと、田沢も目の前に与えられた現実を選り好みすることなく受け入れてきたことで今がある。
(日本のプロとアメリカのプロで選り好みしたじゃないか、というなら違うだろう。それはメジャーの評価が高かったからそれに基づいた決定を球団-会社と相談した上でしただけなのだから。)
横浜商大高時代、2年時は当時から素材を評価されながらも北信越リーグに進んだ上級生の給前がエースナンバーをつけていた。3年時は横浜高・涌井秀章と投げ合って大敗した。決して順風満帆にきたわけではない田沢がここまでやってこれたのも目の前の現実に丹念に取り組んできたことが実を結んだものだろう。
“その姿勢を絶やさぬ限り”、苦難を体験しながらもメジャーの舞台でもいつか必ず誰もが納得のいく答えを出してくれそうな気がする。それが今季になるか、まだ時間を要するかはわからない。
だが案外、デビューが早い可能性も高いかもしれない。
もちろん野球においてもこのことは同様である。松坂からのコメントを引用するまでもなくマウンドの硬い土、そして今年のWBCでも問題になっているがボールの皮や縫い目の違い等からくる違和感…
それでも、岡島や斎藤隆ら短いイニングですむリリーフにはさすがに影響が少ない。一方であれほど勝手の違いに悩まされていた松坂も昨年苦しみながら好成績をあげた。松坂は一年目も重圧や使用球を含めた環境の違い等の苦難と戦いながらも15勝と2ケタの勝ち星をあげているが、去年は3つ上乗せの18勝をあげたばかりでなく内容においても格段の進歩をみせた。それが負け数の大幅な減少(13→3)と防御率の改善という形となって表れた。だからそんなものは慣れてしまえばこっちのものである。
とは言っても、まだまだ時折脆さの見られるところに彼のメジャーリーガーとしての未完成度もみてとれる。そのあたり彼自身がどういう対応をとるかが彼の今シーズンを左右するだろう。もっとも、ムラっ気の激しい彼だけに過度の期待はするものではない。彼に過剰な負担を与えるばかりでなく、その期待のあまりの大きさがゆえに万が一不発に終わるようなことでもあればその分大きな失望も伴いかねない。それでもこれまで数々の伝説を築き上げてきた“平成の怪物”だけに、やはり今季彼がどんな戦いぶりを繰り広げるのか楽しみにしたいものだ。
ところで、ある意味そんな彼以上に私が気になるのは誰か?ドジャース黒田博樹と松坂と同じレッドソックスの田沢純一だ。
黒田は去年、9勝10敗3.73の成績をあげた。まずまずといえばまずまずである。
しかしながら、15勝をあげながらも高いサラリーや内容の悪さなどもあってどことなく物足り印象の否めなかった松坂の一年目よりも下回る。それでも黒田の一年目で松坂に唯一、それも大事なところで勝っていた部分がある。
それは、再三私が口にしているように「ボールが滑る」「マウンドの土があわない」などの違和感について黒田が一言も口にしていなかったことだ。このあたりに広島東洋カープという、失礼ながら強いとはいえないチームで常にエースとして黙々と球団を支えてきたという、松坂とは違った部分でのピッチャーとしてのプライドを感じるのである。黒田は今でも古巣カープのことを常に気にかけているという。いつも前向きなメンタリティーで臨む松坂に対して黙々とチームのために投げる黒田はまるで見事に“陽と陰”を描いているようにもみえる。
さてその黒田だが、松坂が一年目に味わった違和感、松坂という前例があるとはいえ当然これは黒田にも何らかの意識と実感はあったはずだ。まして黒田の一年目もいいときと悪いときと差が大きかっただけにその影響が決して小さかったとは思えない。しかし黒田がそれについて口にしたという話は聞いたことがない。単に黒田が口にしたにもかかわらず報道にのらなかっただけ、ということも考えられるが、黒田の寡黙な性格を考えても口にしなかったから報道がなかったと考えるのが自然なような気がするが、そうだとすれば何があっても泣き言を言わない黒田の精神力はやはりタフだ。
2年目からは自らの経験による違和感の緩和、そして先に触れた黒田自身の強靭な精神力。これプラスアルファがいい形で噛み合えば松坂以上に面白い形でブレイクすることもあり得るのではないかと思うのだ。それが私自身、黒田が面白いと思う理由だ。
一方、もう一人の田沢だがレッドソックスのファレル投手コーチによれば田沢はプレッシャーなどには一切動じないという。黒田のそれとはまた違うが、その強靭なハートはどこへいっても通用するものであり、実際田沢は大学生をパーフェクトに抑えたのを皮切りにこちらもこれまで並みいるメジャーリーガー相手に快投が続いているという。もっとも田沢の場合は怖いもの知らずできている可能性もあるが、それでもあのタフなハートは頼もしい。報道を聞く限りやはり無鉄砲にアマチュアからいきなり未知の大海へ飛び込んだクチではないようである。
それと、田沢も目の前に与えられた現実を選り好みすることなく受け入れてきたことで今がある。
(日本のプロとアメリカのプロで選り好みしたじゃないか、というなら違うだろう。それはメジャーの評価が高かったからそれに基づいた決定を球団-会社と相談した上でしただけなのだから。)
横浜商大高時代、2年時は当時から素材を評価されながらも北信越リーグに進んだ上級生の給前がエースナンバーをつけていた。3年時は横浜高・涌井秀章と投げ合って大敗した。決して順風満帆にきたわけではない田沢がここまでやってこれたのも目の前の現実に丹念に取り組んできたことが実を結んだものだろう。
“その姿勢を絶やさぬ限り”、苦難を体験しながらもメジャーの舞台でもいつか必ず誰もが納得のいく答えを出してくれそうな気がする。それが今季になるか、まだ時間を要するかはわからない。
だが案外、デビューが早い可能性も高いかもしれない。