イチローのランニングホームランから考えたこと | スポーツを語ろう-ZE!!

イチローのランニングホームランから考えたこと

もう1年半ほど前になるか。シアトル・マリナーズのイチローがメジャーリーグ・オールスターでランニングホームランを打ったのを覚えておられるだろうか?

ランニングホームランを成し遂げたのはイチロー自身野球人生で初のことだったという。メジャーはおろか日本でも名電高時代までさかのぼっても初めてだという。イチローほど俊足のイメージが定着した男が30半ばで初の同記録達成というのは意外な気がしそうなものだが、だからといってランニングホームラン自体がそうそうお目にかかれる記録ではないのだ。何しろ野球界全体という枠で考えても何年かに一回ぐらいのペースでしかでないのだからそれ自体はさほど不思議ではないともいえる。もっともそうはいっても意外性は払拭できるものではないが…

ところで、イチローのランニングアーチで気がついたことがある。初のランニングホームランが本場で選ばれた強者ばかりが集うメジャーのオールスターでマークしたものだったというのがいかにもイチローらしいというか、イチロー自身の運のよさを象徴した感もある。だが一方ではこうも言えまいか?イチローのランニングホームランはメジャーの試合で、しかもオールスターだった。だからこそ達成できたのではないかという…

イチローが同記録をマークした現場はサンフランシスコ・ジャイアンツの本拠地だ。
この球場はジャイアンツのスターだったバリー・ボンズのホームランを意識してか、右中間の膨らみが極端なほど浅く造られている。というのも同球場をご覧になった方ならご存知のことと思うがこの球場のライトフェンスの向こうは海だ。
この球場ではライトへホームランを打つとその打球が海へ飛び込む造りになっている。外ではホームランボールの確保を狙ったファンがボートに乗って待ち構えている。いわゆる“スプラッシュ”というヤツだ。
そして左打者のボンズはライトへのホームランが多い。ライトフェンス向こうの海上のファンはホームランが飛んでくる頻度が高くてかつスーパースターのボンズのホームランを楽しみに待っている。球場を設計したものにとってもさぞかし狙い通りだったことだろう。

そのライトフェンスだが、それは程よく膨らんだ他球場のそれに比べるとほとんど直線に近いものだ。その方がホームランがでやすい。当然そこまで意識してこういう造りにしたに違いない。
この球場に限らずメジャーの球場はどこかいびつなところを持つのがほとんどなのだが、ということは他の球場に比べて右中間の打球が不規則にバウンドしやすい、ということになりがちになってもおかしくはないだろう。

それに加えて、舞台はオールスターだ。
ジャイアンツ対マリナーズのインターリーグならある程度対応に慣れたジャイアンツの外野手が守るが、オールスターならばイチローに相対するナリーグの本拠地扱いとはいえ手慣れたジャイアンツの野手が同球場のライトにつくとは限らない。ゆえに同球場のクッションボールの処理に不慣れな野手が手間取っている間に難なくホームを陥れた、となっても不思議ではないのではないかというのだ。まして左右対称の日本の球場ならそんなことは起こりにくい。
だからイチローのランニングホームランがこのオールスターという大舞台で初めて成し遂げられたのもそう考えると納得いくのではないかということだ。

もっとも今、特にメジャーではFA、FAで選手の移籍が激しいからこの球場で1年以上ライトを守った、というものも少なくないだろうし今の説が当てはまるとは一概にはいえないかもしれないが、それでも可能性は十分あると思う。
いかがだろうか?