プレゼントを買う時に、私達夫婦は必ず相手に「何が欲しい?」と聞きます。
今まで一度もサプライズでプレゼントをしたことも、もらった事もありません。
その時必要な物をプレゼントするというシステムが、いつの間にか自然に出来上がっていました。

一番思い出に残っているクリスマスプレゼントはコートです。
こういうアクセサリーも悪くないんですけどね。

お互いに社会人になって初めてのクリスマスでした。
その時の会話は覚えていませんが、きっと寒がりの夫が
会社に来ていくコートが欲しい、と言っていたんだと思います。

そして、初めてもらった冬のボーナスを持って、
デパートに夫と二人で買い物へ行きました。

目についたのは、アンゴラのロングコートでした。
シンプルなデザインで会社に来ていくのに最適。しかも暖かそう。
早速試着してみると、サイズはピッタリでした。

コートの値段は当時の私のボーナスにしては、
かなり高い値段だったんですが、そのコートを買って帰りました。

コートの入った紙袋を店員さんから受け取り、
お店を出た後にその紙袋をそのまま夫へ渡しました。

夫はその紙袋を受け取って「ありがとう。」と一言。

ちっともロマンチックじゃないプレゼントのやり取りですが、
これが私達らしいやり方なんです。

その年からずっと、夫はこのコートを今でも着続けています。
もう袖口の所などかなり擦り切れてボロボロになってきてしまっています。

夫に「そろそろ新しいコートを買った方がいいんじゃない?」
と聞くんですが、
夫はまだ着れるからいいよ、と言って買いかえる気はないようです。

今年ももう少ししたらあのコートの出番です。
でも、そろそろ違うコートをプレゼントしたいなぁと思っています。