地方の仕事は、特に人手不足が加速している。農業や林業業界も、昔からこの人手不足問題に悩まされている。この問題について、色々と考えてみた。


 まず1点目は、兼業が出来ないのかということだ。公務員でも副業を解禁している自治体がある。兵庫県神戸市や奈良県生駒市がその例だ(※1を参照)。

兵庫県神戸市では、平成29年4月より「地域貢献応援制度」を導入しており、対象の活動として2つの項目を挙げている。

1.「報酬等を得て行う、公益性の高い継続的な地域貢献活動」
2.「社会的課題の解決を目的とし、神戸市内外問わず、地域の発展・活性化に寄与する活動
(※2から引用)

まさに、「公益性の高い継続的な地域貢献活動」こそ農業や林業が該当してくるのではないだろうか。

平日はテレワークを行い、土日のいづれかは自然豊かな場所で農業や林業を行う。


このような生活も、楽しく感じる。

市だけでなく県や国でも、「兼業」の考え方について柔軟に再度検討し、このような地域に貢献する活動の内容であれば積極的に支持する制度を導入してもいいのではないかというのが、率直な思いだ。



 人手不足解消対策の2点目として、趣味の一貫として農業や林業を行うということだ。(土日や、長期休暇中を想定)
何を言ってるんだ?と思うかもしれないが、例えば「農泊」という体験がある。

 これは、農山漁村地域に宿泊し、滞在中に豊かな地域資源を活用した食事や体験等を楽しむ「農山漁村滞在型旅行」(※3から引用)をさすが、実例として林業体験の取り組みを聞かない。恐らく山深いところでチェーンソーを使う作業もあることから、真っ向から難しいという頭があるのかもしれないが、苗木の植え付けや下刈り作業は、数時間説明を聞いて作業のコツさえ掴んでしまえば、林業経験者ではなくともできるのではないか。
 昔は、農業と林業を兼業して生きてきた時代があったのだから、そこからヒントを得れば2つの業種を体験できる企画を立てることは難しくない気がする。

 自治体や観光協会、NPO法人等が積極的に農業や林業を体験できる企画を検討いただけたら嬉しい限りだ。



(※1)
https://www.sankei.com/article/20180322-MTNZ2UJX5BLGVHSVXSVDP2XZKQ/


(※2)許可基準を明確にして社会貢献のため兼業を促進している事例①
(※3)
「農泊」の推進について:農林水産省