前回の続きである。

 

大阪を早朝の4時に出発してあちこちを散策し、すでに450km余りを走破しましたので、今宵の宿で羽を伸ばすことにしました。

 

ところで、今回の行程での目的は、岡谷の蚕糸博物館と小淵沢の2点を主に巡る旅として計画しましたが、私として一番悩んだのは、今宵の 宿をどこにするか? ということでした。

 

 

 

 

すなわち、周辺の宿泊地はどこかと申しますと、今来た道を戻って諏訪湖周辺にある 観光旅館 に一泊しするというのが、ごくごく一般的なんでしょうかね?

 

     

 

まあ、こちらは温泉街なので大浴場なんかもありますから、旅の疲れを癒すのならうってつけでしょうし、今までは 旅=旅館に泊まるが定番 の世代でもあるからなのです。

 

     

  

 

 

 

他方、こちらの小淵沢にも、ごく普通の旅館はあるにはあるのですが、いちびって(大阪弁→訳/調子にのって) 星野リゾート を検索してみますと、1泊一人朝食付きが50000円~と出ましたから、流石に手も足も出ませんでした!

 

     

 

ところが、今は世の中が便利になり過ぎていると申しましょうか、私ごときの昭和人間ですら、Googleで小淵沢駅の地図を出し、更に🔍 「宿」と入力して検索しますと、周辺のそれが一目で分かるようになったんですね!

↓こんな感じ

 

     

 

で、その中でも個々を詳しく検索してみますと、クチコミの評価が良く、かつコメントにもオーナー自身が丁寧に返答されているお宿を発見しましたが、こちらは旅館では無くて コテージ という括りに入る宿泊業態でした。

 

 

 

 

ぶっちゃけた話し…

コテージとかペンションという業態が我が国に誕生したのは戦後の昭和50年前後のことでして、その第一号と言われているのが、小淵沢の近隣にある 原村 という所に誕生したのが起源のようですが…?

 

要は、個人で経営する 民宿の洋風版 のような小じんまりとした宿という解釈なのですが、これらの ペンション という業態に飛び付いたのは、当時の若い女性層だったのです!

 

     

 

 

 

あの頃は、いわゆる 団体旅行が主流 の時代でしたし、それを受け入れる施設側も 大広間で宴会 の需要を満たすべく、観光地には大型レジャー旅館がどんどんと建てられた時代でもありました。

 

     

※イメージ

 

しかし、ファッション雑誌の花形と言われた ananやnon-no が、ガイドブックを片手に気ままな旅行をする女性がお洒落という流れをつくったことから、それらの愛読者が一気にこれに乗っかったんですね!

 

     

 

すなわち、当時で言うところの「新人類」こと アンノン族 が、仲良しの女性少人数で大挙として信州方面に押し寄せたため、それに釣られるようにして小淵沢周辺でも一気にペンションが建設された歴史があるようです。

 

     

 

 

 

さて、いつものように前置きが長くなりましたが、小淵沢界隈に数あるペンションの中で私が個人的に選んだのが、 ガーデンコテージ・ポリアンナ というお宿でして、今から皆様をご案内していこうと思います!

 

 

小淵沢の駅やインターチェンジからもほど近く、細い道を折れて更に林の奥に進みますと、母屋が見えてまいります。

 

     

 

アルプスの少女云々よろしく、どこかおとぎの国に出てきそうな森の一軒家な雰囲気ですが、これには女性陣が「ワァ~!キャ~!」と、すばやく反応しましたね!

 

     

 

奥にあるロビーは、これまた洋風な感じが満載でして、ロッキングチェアーや書籍なんかも沢山ありますし、時期的には無理でしたが、冬にはマキストーブも可動するようです。

 

     

 

 

 

お部屋はこんな感じで、創業から42年も経過しているので、当地ではパイオニア的なお宿ですが、清掃は完璧に行き届いていますし、オーナー様も含めてペットとの同伴宿泊はお断りしているようですので、とても気持ち良く休むことが出来るのです。

 

     

 

それと、観光旅館のように部屋にはテレビやゲームセンター、はたまた冷蔵庫などの備品はありませんのが、これはあくまで大自然の中で ゆるりと時を過ごしてもらおう というオーナーさんのポリシーのようなものを感じましたので、私としてはたいへん好感が持てました。

 

 

 

あと、母屋の部屋に加え別棟もありますので、子供さん連れでも安心ですし、小さいながらも 家族風呂 もありましたから、すっきりと汗を流せましたね!

 

       

 

 

 

 

さて、一泊2食付きでお願いしましたので、夕食は別棟のレストランでいただくことになりましたが、今日の献立は…

 

ドイツラスク?みたいな前菜に…

 

     

 

かぶらのスープ!

 

     

 

実は、こちらのレストランのシェフは、オーナーのご子息様がされていまして、地元の野菜や肉をふんだに使いつつも、手間暇かけた逸品が舌を唸らせるのです!

 

ですから、こちらの かぶらのスープ も何回も手作業で裏ごしをしているため、かぶらの青臭さは全く無くて、芳醇でまったりとした味わいでしたし、失礼ながら定番の旅館の料理とは一線を画すと申しておきましょう!

 

 

 

お次は、魚の香草焼きに…

 

     

 

地元で幻の米と言われる 武川米 の炊き込み玄米が出てきました!

 

     

     

そして、メインは豚煮込みのデミグラスソース掛け+野菜添えにでしたが、これは口中に投じた瞬間に溶けてしまいました…。

 

     

 

で、〆はバニラアイス+木苺の甘煮デザートという内容でしたが、量は少なく見えたものの、私ですらそこそこお腹一杯になりましたと報告しておきましょう!

 

     

 

 

 

 

さて、翌朝は敷地内にあるお庭を散策してみましたが、四季折々の草花が目を楽しませてくれました。

 

     

 

時がゆるりと流れている と申しましょうか、そもそも大海原や大草原の立地でしたら、瞬間的な感動の揺れ幅は大きいのでしょうが、こちらの箱庭のような風景を見てみますと、心の底から気分がまったりとしてくるのです!

 

     

 

機械的な音やBGMも流れて無けりゃ、盛り上げ役のホスト役も誰一人として居ないのですが…

ゆるりと瞼を閉じますと、その静寂の中から伝わる大自然たる木の香りに土の香り、そして小鳥のさえずりに頬を撫でる風の全てが五感から全身に染み渡りますから、まさに 大人だけの贅沢な空間 がここにあるのです!

 

※この風景に合うBGMを強いて選ぶのなら、ケニーGのエスターか…

 

 

 

 

はたまた、ゴーイングホームでしょうかね?

 

 

 

 

さて、私が 雨男? ゆえ昨夜遅くまで雨が降っていましたが、翌朝には止みましたので、シェフが気を利かせてオープンテラスで朝食をとらせていただきましたが、この心遣いがリピーターの心を掴むのでしょう!

 

ワンプレートながら、見本のような盛り付けですね!

 

     

 

おまけに、心地よい朝の風が頬を撫で、見上げれば木漏れ日がキラキラと輝く空間は、美味しい食事と相まって最高級の癒し空間であって、ここに泊って良かったと思った瞬間でもありました!

 

     

 

     

 

と言うことで、あれもこれもと欲張らず、さらりと巡った信州&甲斐の旅でしたが、私も含めた全員がこのようなペンション初体験でしたし、半ばクチコミなんぞも懐疑的に思っていましたが…

 

最高の時間を演出してくれた、こちらの ガテーンコテージ・ポリアンナ さんに宿泊することによって、とても楽しい旅行になりましたし、特に女性陣には大好評をいただきました。

 

ありがとうございます…

 

おわり