看板屋のブログと謳っているものの、皆目その記事がないので、ここら辺で現場工事の詳細などをお話ししようと思う。
と言うことで、先日お問い合わせいただいたお客様は、10年以上前に取付けてもらった 看板 の状態が良くないので、どうにかならないかと言うご相談でした。
で、さっそく現地へ訪問しますと…
こんな感じで、タテが3m60cmもある大きな看板が、わずか10cm角のポール(角柱)で支えているだけなので、要は 淀川吾郎? のように首振り…?
では無くて、「メトロノーム」のように看板のポールが振れると言うことでした。
まあ、この看板工事を施工した業者は知っているんですが、この大きさと重量があれば、通常は15cm角以上のポールが必要だと分かっているはずなので、失礼ながら明らかな 手抜き工事 と言わざるを得ません!
ただ、スペース的にも予算的にも、新たなポールを建てることが出来ないので、要は不安定なポールの上半分と建物を連結固定して補強することにしました。
施工の様子です!
梯子では工事が難しいので、仮設足場(ローリングタワー)
を組んで、その上で作業をします…
ただ、難儀なことに、肝心の建物の壁がガッチリした鉄筋コンクリート(RC)ではなくて ALC でした。
こんな感じの壁です。↓
分かりやすく言えば、砂を固めたような軽量ボードですので、固定させるためのビスの強度が出ないんですね?
(砂にビスを打っても効かない/抜ける)
そこで、注入式の 接着アンカー を使用することにしました。
まず、金具を仮固定して…
壁側の穴位置に印をして…
ドリルでホジホジして…
キレイキレイして…
アンカー液を注入します。
これは、A液とB液の 2液(にえき)を混ぜて注入することで化学反応を起こさせるもので、接着液が固まる前に「寸切り」を挿入します。
で、この時期ですと1時間弱(夏場は15分程度)ほど放置プレーにしておくと、この寸切りがカチカチに固定されるという按配です。
まあ、元々の壁が砂の塊のようなものですので、何トンという引っ張り強度はありませんが、それでも小学生程度の子供さんでしたら、ぶら下がっても抜けませんね!
さて、固定されれた寸切りにナットを入れて締めこみますと、これでポールの振れはほぼ99%修まります。
次に、このお店の看板は アルミフレームの既製品 というもので、本体はまだまだ使用可能なんですが、このタイプの看板には必ず 振れ止め棒 を取付ける必要があるんです!
まあ、建物から飛び出しているんで、看板の先端が風圧でカクカクと揺れないようにするための棒なのですが、前の施工業者は…
チャランポランだったようで、棒の取付け方が間違っていました。
要は、看板から真上に棒を引いても、一番揺れる先端の振れはおさまりませんので、ここから水平に引くのが正解と言いますか常識ですので、新たに付け替えました。
ところで、せっかく補強工事にお伺いしたののですから、看板内部の蛍光灯を LED に交換することをご提案しました。
※LEDは長寿命ですが一生点灯しません/切れます。
バリューセット と申しましょうか、別工事ですと施工費も倍かかりまますし、この際まとめればお得ですし、ちょうど蛍光灯も切れかけていましたので、全てを交換しました。
で、昼間であっても必ず電源を入れていただき、オーナー様立会いで点灯を確認いただいてから、看板の蓋(意匠の板)をします。
と言うことで、 看板リフォーム というカテゴリーになるのですが、弊社では古い看板にカンフル剤を打って再生する工事も行います。
もちろん、何でも新品でさせていただく方が儲かるのですが、時代が時代だけにECOなお客様にも対応するようにしています。
と言うことで、最後はサービスでポールの塗装をして完成です!
この度は、ご注文ありがとうございます。