私が営む 看板業 は、あまり一般的に知られていない業界だが、おおまかに言うと「建築業」の一部に含まれるのではないだろうか?

 

さて、その看板業界にも 業界用語 というのが沢山あるのだけれど、その中でも「尺貫法」という古い慣例が今も根強く残っている!

 

 

 

例えば、看板の下地として広く使われている「アルミ複合板パネル」は、基本になる大きさが約1800mm×900mm(畳1枚)の大きさだが…?

 

       

 

 

これは メートル法 での呼び方であって、尺貫法に換算すると3尺×6尺になり、業界ではさらに略して さぶろく と表現するので、看板資材屋さんへ注文を入れる場合は「さぶろく○枚お願い…」となる訳だ!

 

 

 

 

もちろん、通常は聞きなれない言葉だし、最初は戸惑いもあったれど、尺=約300mmと考えれば良いので、逆に腰高くらいの高さの脚立は3尺なので、通常は 3 と呼ぶ!

 

      

 

更に、尺の1/10の単位は寸と言って30mmだ!

 

なので、ホームセンターなどではメートル表記になっているけれど、下地として頻度の高い36mm×36mmの角材などは、1寸3分(いっすんさんぶ)なので 寸3 となり…

 

      

 

これよりひと回り太い材木は45mmだから、「寸5」と呼んでいる。

 

 

 

更に更に…

最初の尺(1尺=300mm)の上には (けん)という単位がある。

 

これは、いわゆる建物の間口(まぐち/入口側の横幅全長)のことを言い、1間=1800mmなので、ちょうど人が横になったくらいの寸法になる。

 

 

 

戦後はメートル法が一般的になり、これらは日常では全く聞かなくなった単位だけれど、どっこい建築業界などでは逆にこの単位が標準語のようでもあって、これを理解していなければ仕事が進まないのが現状でもある…?

 

      

 

さて、ここでクエッション?

 

新しくOPENするお店の看板を下見に出る時、看板屋の親方(社長)から言われた下記の内容を訳しなさい。

 

      

 

「現場の間口は1間半やから、3と6を持って、寸法は目っそでええわ…」

 

どうだろうか?

 

      

 

答え合わせは、コチラ↓↓↓

 

間口1間半=お店正面の横幅は約2700mm程度です。

 

3と6=高さ900mmと1800mmの脚立を持参しなさい。

 

目っそ=尺や寸で表現できない、およその寸法で良いです。

 

 

 

まあ、どの業界もそうなんだけれど、仕事の工程や技術を覚えるのは当然としても、このような 言葉の壁 を理解できてこそ、一人前になれると思うのです。