通年の常識が通用しない 酷暑 と言われた今年の夏も、ようやく終焉に近づいてきたが、いわゆる空調の無い所での作業がほぼ全てという私達の業界は、真に耐えがたきを耐えた年でもあった。

 

すなわち、看板屋の仕事というのは、製作が半分と屋外の取付け工事が半分という所が多い…。

 

ただ、屋内の製作に関しても 冷房 などといった設備は皆無に等しく、熱風をかき回すだけの扇風機があればまだ良い方だと思う。

 

 

 

まあ、それが仕事だから愚痴を言っても始まらないのだけれど、さすがに50歳を越えると、酷暑の屋外作業は半端ないほど疲れるのだ!

 

 

 

日除けや日陰などはまず無い…

 

いや、あるわけが無い…

 

言わば、ジリジリと照りつける太陽の下での作業が続くのであるが、今年は特に酷かった!

 

 

それと、一般に良く知られる作業員のイメージ…

 

 

 

ある意味、可愛くも見えるイラストとは裏腹に、実際にはヘルメットに安全帯、それと5Kg以上の様々な道具を腰にぶら下げての作業になるし…

 

これが梯子などの高所となると、更に動きが封殺されてしまうのである。

 

 

まあ、それは良いとしよう…

 

これが私の生きる道だ!

 

ただ、今年は蚊やゴキブリが活動できない40℃近くの日が多く、炎天下であれば50℃近くなる日も多かったので、もはや日本人が労働できる環境をはるかに超越した年でもあった!

 


 

 

反面、近年は 熱中症 という言葉が一般的となり、現場の監督さんらもそれを警戒してか…

 

「こまめに休憩を…」

 

と声をかけていただくけれど、現実問題として休憩していれば作業が終わらないという現実があって、無理に無理を重ねなければならない工程が業界を席巻しているのだ!

 

 

もちろん、最近になって 扇風機作業服 なるものが巷に出始め、これを着ると幾分暑さは凌げるようだけれど、これまた価格は1着15000円~と、まだまだ一般的ではない。

 

 

 

 

というか、これの 酷暑がこれからも毎年続く となれば、少なくとも屋外での建築関係の業界は疲弊していくのではないかと思った。

 

 

 

電車が1分遅れただけで、乗客から罵倒される現実があって、その積み重ねが引き金となって発生した 福知山線脱線事故 を例にあげるまでもなく…

 

我々の業界には、コストダウンと工期の短縮を望む大きな声と需要があって、それに応えなければ仕事にありつけない現実も直視しなけければならない。

 

 

加えて、かつて 3K と言われた職場環境が災いし、若い人達が寄り付かないのも悩みの種であり、後継者不足も深刻な問題であるけれど、単純労働では無く工程が多義にわたる

がゆえに、簡単に外国人を雇えないの側面もあったりする。

 

 

 

働き方改革 という言葉だけが独り歩きし、ややもすると耳障りの良い言葉に聞こえるけれど、これが出来るのは一部の大手企業だけであって、我々からすれば骨抜きの掛け声にしか聞こえない…?

 

 

50℃を越える炎天下で作業する日々を体験しながら、ふとこの業界の未来を案じた…。