日本人 ノーベル賞ダブル受賞の快挙 | Direct Marketing Business Challenge~ ダイレクトマーケティングビジネスチャレンジ~

日本人 ノーベル賞ダブル受賞の快挙

2015年のノーベル賞は、生理・医学賞 大村 智博士(80歳)、物理学賞 梶田 隆章博士(56歳)と日本の研究者のダブル受賞となりました。



子供の理科離れが進む中、ダブル受賞はとても喜ばしいニュースで、理科に興味を持つ子供が増えてほしいと同時に、本邦の特に若い研究者には大変な励みと勇気を与えることになりそうです。
また、お二人の出身大学が常連の国立大学出身ではなくて、山梨大学、埼玉大学の出身であることは、地方大学の学生にとっても大いなる刺激を与えることになりました。



素粒子ニュートリノに質量がある証拠を見つけられた梶田博士は、日本のお家芸といえる研究分野で先達の小柴 昌俊博士 (2002年ノーベル物理学賞受賞)、戸塚 洋二博士の後バトンをつないでニュートリノ振動を実証、素粒子物理学の新たな突破口となると期待されています。
これは、「宇宙誕生当初に崩壊したニュートリノから生まれ、残された粒子が今の宇宙の物質を生んだと説明できる」構想を束ねる研究につなげることになるからです。


今回の発見につながった岐阜県の鉱山跡に造った観測装置、「スーパーカミオカンデ」の建設でも約100億円かかったといわれており、次の構想を確認するためには地下深くに新たな穴を掘ったり水槽をつくったりするのに約800億円は要るといわれ、かなりハードルの高いプロジェクトです。

ノーベル賞の受賞を好機ととらえて、英仏などのメンバーと国際的な研究グループを立ち上げ、次の成果を目指す取り組みが推進されようとしています。



一方、生理・医学賞の受賞が決まった大村博士は、土譲中の放線菌から寄生虫病の薬となるイベルメクチンを発見されたことが評価されました。
博士が発見されたイベルメクチンは熱帯病であるオンコセルカ症やリンパ系のフィラリア症の特効薬で、多くの人を病苦から救ってきましたが、これらの事実は日本ではほとんど関心を引かなかったことから、ノーベル賞の下馬評に上がっていなかったのが事実です。




土壌中の放線菌を研究する手法は日本では得意な分野で、これまでに抗生物質(カナマイシン、マイトマイシン、ブレオマイシン)、免疫抑制剤(タクロリムス)等日本で発見・開発され医療に大いに貢献していますが、その人類への、特に途上国の人々への貢献を評価したのは、やはりノーベル賞の見識で素晴らしいと感激しました。
受賞後知ったのですが、イベルメクチンは当初は動物薬として使用され、以前日本でも牛が感染した特殊な病気に動物薬として使用され病気の蔓延を防いだことがあり、我々の知らない所での貢献も多々あるようです。




今回のダブル受賞で感じたことですが、ここ10年間は過去のこれまでの研究者の努力が評価されノーベル賞の受賞は今後まだ期待できると思われます。
しかし、それ以降については、全ての要素で満たされ、ハングリー精神が無くなっている日本の若者の生活スタイルではノーベル賞につながる大発見・発明はあまり期待できないと危惧されます。
 


これを回避するためには、若い時にこそ思い切って外国へ飛び出し、異文化に触れ、国際的な交流のネットワークを作ることが重要と考えられます。
そのことが将来の研究の発展に貢献することになると信じて疑わないからです。


医療法人 高清会 高折病院顧問

薬剤師 中村 泰三










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広報担当 ウェブチャレンジ編集長

(株)コーデ 代表取締役

日本ソムリエ協会認定 ワインエキスパート

占部恵子