シニア向け ECサービス
日本の社会問題の一つに、少子高齢化があります。
総人口が減少する中、高齢化率は上昇しており平成72年(2060年)には、2.5人に一人が65歳以上になると言われています。(H25年版内閣府高齢社会白書より)
ビジネスの世界では、シニア市場に注目し、様々なサービスを展開している企業がたくさんあります。なかでもネットスーパーと言われる、日々の食料品や日用雑貨品をインターネットで注文し自宅まで宅配してくれるサービスは、近くにスーパーがない方や体の不自由な方にはとても便利なサービスで近年急拡大しています。
地域に密着しているコンビニでも、同様のサービスを提供しています。
セブンイレブンのECサイト「セブンネットショッピング」は、通常の商品以外にも「セブンミール」という食事のお届けサービスを提供しています。希望のお届け日や時間帯に、セブンイレブンのお弁当を届けてくれます。「食材セット7日間」や「日替り弁当7日間」などの1週間単位のセットのコースもあります。
より充実した食材を購入したい方は、イトーヨーカドーのネットスーパーを利用することができます。「取扱い商品、約30,000点」が売りです。(但し地域が限られています)
セブンネットショッピングで、実際に商品を購入してみました。シニアに限らず持ち帰りに苦労するペットボトルのお水を注文。無事に届きましたが、注文を入れてから届くまで約2日間かかりました。
アマゾンの翌日配達を考えると、劣る点でもあります。
一方、ローソンもECサイト「フレッシュローソン」を展開。生の肉や魚、加工品、乾物やお米まで約14,000点の食品を揃えています。食品に特化したサイトなので、DVDや雑誌まで取り扱うセブンイレブンのネットショップより、とても見やすく感じました。
ローソンでは、冷凍の「国産牛100%ハンバーグ」を注文。
しかし、ローソンはセブンイレブンよりも遅く、商品到着まで丸3日かかりました。ネットショップを利用する際は、会員登録をする必要があります。名前や住所などの個人情報を入力後、IDやパスワードを設定し会員登録して、ようやく商品購入手続きが出来ます。 シニア目線で考えると、パソコンが不慣れなシニアには少し辛いのではないでしょうか? また、次回設定したパスワードを忘れていたりすると、一気に購買意欲が下がり、そのままフェードアウトしてしまいそうです。
シニア向けのサービスの中で、介護食を提供する企業もあります。イーエヌ大塚製薬(株)は、医療食や高齢者用食品などを製造・販売する企業。介護食に特化した冷凍食品を扱うネットショップ「あいーと」を運営しています。
咀嚼力が低下した方にも、食べる楽しみと生き生きとした生活を提供することをコンセプトに、見栄えがよく柔らかい食品を開発しています。
こちらも試しに購入してみることにしました。
初めての介護食の購入のため、不安もあったので問い合わせ先へ電話し、商品説明や購入方法を聞きました。1品から注文できるとのことで、ご飯と酢豚風甘酢煮を注文。
冷凍で届き、電子レンジで加熱するだけです。
食べてみると、ご飯もおかずもそれぞれ香りもよく、食べてみてもしっかりと味が口の中に広がり、介護食でも食べる楽しさを維持できる味わいです。食品は全て、木綿豆腐くらいの柔らかさです。
こちらの商品も翌日配達とはいきませんでしたが、「介護食」専門でオペレーターを設けている点は、利用者にとって安心感につながると思います。
他社では、キユーピーや森永乳業などもアマゾンで介護食を販売しています。
「歯ぐきで潰せるシリーズ」や「舌で潰せるシリーズ」など、明確なキャッチコピーで商品開発しています。
介護食に関しては各社企業のHPから情報を入手しサービスを受けることができますが、介護未経験の世代としては、介護食に関する不安や悩みを直接電話で担当者に聞くことができ、その上で購入を検討できるサービスがあれば、信頼感が生まれ、インターネットサービスを利用しやすくなるのではないかと思います。
利便性もありつつ、時には直接、電話などで担当者にアドバイスを受けることができれば、それが最高のサービスだと思いました。
イーエヌ大塚製薬(株)
「あいーと」
http://www.ieat.jp/
(株)ダイレクトマーケティンググループ
広報担当 ウェブチャレンジ編集長
(株)コーデ 代表取締役
日本ソムリエ協会認定 ワインエキスパート
占部恵子





