駄目人間TOKYO「ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン!」(後編) | DMFLOG

駄目人間TOKYO「ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン!」(後編)

東京は渋谷に降り立ったダメ・ブラザーズ。

目指すは109でもクラブでも無く、ダメ映画の聖地「シネマGAGA」!

平日の昼間なのにメタボ腹にフライと酒を詰め込んだ二人が聖地に行っていったい何をするのか!?


もちろん「ホット・ファズ」を観るのさ!


「ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン!」は、我々が愛好する監督「エドガー・ライト」の作品。

エドガー監督といえば、駄目人間二人がゾンビと戦い、パブに立てこもる(イギリス人だから)映画、

「ショーン・オブ・ザ・デッド」の監督として有名です。

第5回で上映した「グラインド・ハウス」の中のフェイクトレイラー「Don't」の監督でもあります。

まさに我々ダメ・ブラザーズのために存在してくれているような、素晴らしい方です。


しかしどういうわけか「ホット・ファズ」は日本で劇場公開されなかったため、立ち上がった有志の方が署名を集め、公開にこぎつけたという泣けるエピソードがあるのです。


そんな有志の方々の心意気に答えるには、渋谷に繰り出し、劇場で観るほかはありません!


チケットも買った!


コーラもジンジャーエールも買った!

 

Why don't we go!(さあ、行こうぜ!)←我々の合言葉

 

 

まず最初に驚くのは、エドガー監督の編集の巧みさ。

畳み掛けるようなシーンの連続に、おもわず唸ってしまいます。

かっこいいんですよ。これが。

 

あの故・水野晴郎先生をして、「編集がうまい」と言わしめただけあります。

ちなみに、この「ホットファズ」は水野先生が生涯で最後に観た作品です。

警察が大好きだった水野先生らしいです(泣)

 

そして、イギリスのコメディ番組でならした英国風ジョークの数々。

これも好きな人には本当にたまらない。

我々も映画を観ながらスコーンと紅茶を楽しむなど、心は英国紳士なので大変楽しかった。


個人的に感心したのは、主人公達が少しずつ変わっていくところですね。

完璧主義でカタい「ニコラス・エンジェル」が段々とダニーと打ち解けていくところや、ハリウッドアクション映画にあこがれるだけのヘタレ「ダニー」が最後に本当にハリウッド・ヒーローばりの活躍を見せていくところ。

ホットファズといえばイギリス風のギャグやアクション映画のパロディが話題になりますが、きちんと人間やその関係を書こうとしているところがなかなか興味深いと思いましたねえ。

 

そしてこの映画の泣けるところをひとつ。


我々の尊敬する町山智浩先生によれば、この映画はエドガー・ライト監督の生まれ育った町で撮ったそうです。

イギリスは日本やアメリカ以上に階級社会が根強く、人生が生まれや育ちでほぼ決まってしまう。

エドガー監督はそんな国の片田舎でスーパーの店員をしながら牙を研ぎ続け、やがて彼は毎日テレビで観て憧れていたハリウッド映画ばりのアクション映画を自分の故郷で撮るのです。


エドガー監督の中には毎日ハリウッド映画を観てポリスアクションに憧れている「ダニー」も、強靭な精神力と実力で現実を変える「ニコラス」がいたのでしょう。

その二人が協力した時、長く続いた階級社会をも吹き飛ばすような奇跡が起こる。

まるでニコラスとダニーが町を救ったように。


私がいつ見てもジンとしてしまうシーンがあります。

ヘタレのダニーが、戦おうとするニコラスにボソッと告げるシーンです。


「この町じゃダメだよ。」


ハリウッドではない、ロンドンですらない片田舎で、エドガー監督は何度もそう思ったのでしょう。

映画ではこのシーンの後から急展開を迎え、クライマックスになだれ込みます。

エドガー監督が映画を作り始めたように、ダニーも銃を取り戦うことで夢をかなえていくのです。


お分かりでしょうか。

「ホット・ファズ」はハリウッドパロディやコメディ映画の仮面をかぶっていますが、本当は

「夢を持ち続け、行動し続ければ、夢は叶う!」という映画なのです。

 

我々は心の中で号泣しました。


そして確信しました。

我々の中にも夢をあきらめよう、叶えようと葛藤するニコラスとダニーがいる。


そう、もちろん。あなたの中にも。