私には年の離れた妹がいる。そして限りなく溺愛している。


そんな妹は、今でこそぬけたやや足りない娘だが、小学生の時分は非常に活発で人望高き少女だった。

六年生の時、彼女は運動会で白組の応援団長に就任した。そして応援合戦のために、白組全員で歌う応援ソングの作成をすべし、という名誉あるお役目を先生より与えられた。

当時の彼女は、
ビジュアルよし
性格よし
運動神経よし
成績よし

の万能ガールだった、、、が、一つだけ致命的にできないものがあった。それは「作文」。


彼女がさらに幼い時に作成したお話がこちら↓

むかし、あるところに、かばが、いました

おしまい

非常にテンポのよい作品である。

もちろんそこから進歩して、

むかし、あるところに、かばが、いました
そこは、さるも、いました
おしまい



むかし、あるところに、かばが、いました
そこは、さるも、いました
そこは、ぬまも、ありました
そこは、やまも、ありました
おしまい


彼女の進歩はここで終わりを迎えた。


話を戻し、致命的に作文ができないと自覚症状のある彼女は、姉カードを召喚した。姉カードの攻撃力は天高く舞い上がり、妹に高いHPを与えた。


以下が、当時実際に全校生徒の半分が熱唱した私作の応援ソングである。



白組応援歌 ~トトロのさんぽ、のメロディーにのせて~

1、走ろう 踊ろう 白組勝つぞー
走るの大好き ぐんぐんゆくぞー
抜かれて 転んで 悔しくて
だけども最後は 必ず勝つんだ
ゴールで待ってる 仲間たち

2、走ろう 踊ろう 白組勝つぞー
踊るの大好き 背筋を伸ばし
きらめく 太陽 味方して
光の中で 思い出刻もう
いつまでも繋ごう もみじ の 手


まさに名曲。さすが姉カード。さすが鬼才。

特に二番がいい。白組応援歌なのに、赤も白もなく、大事なのは今のこのかがやく瞬間なんだよ、というマエストロの想いが伝わってくるではないか。


あまりの出来に、先生も落涙。


これ君ひとりでつくったのかい?

あー、お姉ちゃんに少し手伝ってもらいました。




こうして彼女は立派に白組応援団長を凛々しいブルマ姿でつとめあげ、優勝旗を手にしたのである。



深い姉妹愛を感じる逸話に万歳。

お父さんに会いたくなると、私はいつも鏡に向かう。鏡に向かってにっこり笑って一礼。

鏡の中の私にお父さんが重なる。大好きなお父さんが見えてくる。私に向かって微笑んでくれる。自然と背筋がのびる。少しでも天に届くように。


お盆とお正月とクリスマスには必ずお父さんの靴を磨く。ブラッシングして靴墨を丁寧にぬる。その靴は、二度と通勤列車に揺れることもオフィスの階段をのぼることもないけれど、私達に暖かい気持ちをくれる。


今日みたいないい天気の日には、玄関先にお父さんの靴をそっとおく。階段からそれを眺める。お父さんが帰って来た気分になる。それは不思議な錯覚で、窓からの風がいつもより心地よくかんじる。手にもつアイスティーのグラスが汗をかいている。


今日も頑張ろうと思う。


お父さん、あなたはいつまでもわがやの家長です。


食堂にいくと母親がなんでも鑑定団の再放送をウキウキ見ている。後ろから抱きついてみる。私大きくなったな。違うな、お母さんが小さくなったのか。


お父さん   ありがとう
お母さん   ありがとう