我が父は見事なほど反面教師を貫いている。

晩年をこれほど自ら汚す人も中々いないのではないか?と感心するくらいに昭和のクズ発言に事欠かない。

男はオスなのだから、外で稼いでくれば何をしても良い!愛人や妾のひとりや二人居てこそ初めて一端の漢と言える。女はメスなのだから子供を産んで初めて存在に価値がある。バカでも醜女でも子供を産んで育てた数が女の価値である。

これを家族のみならず、酒の席では誰彼構わず講釈垂れる。

おかげさまで兄弟姉妹全員、パートナーからおたくの義理の父には会いたくない!との意見ばかりで、姉妹はまだしも、私はお付き合いしている女性を連れてくるのだからたまったものではない。殆どの相手が、付き合いを継続するなら家族の付き合いは避ける事を条件にされたり、泣きながら無理!と叫ばれたりである。

年齢も上がってくると、お付き合いしている女性から両親を紹介してほしい、結婚前提等の話も出てくるのだが、紹介して辛い思いや後悔するだろうから避けたほうが、、、とのアドバイスも中々他人には理解されない。

散々例を挙げて説明しても実際に会って直接酒のお酌をさせられたりオスメス論を聞かされ、強いては墓守りの約束迄させられて初めて息子の交際相手として認められるなんて有り得ないのだろう。そんな極端な話して〜と茶化してくるが、現実を突きつけられそれでもめげなかったのは現在まで2人だけだった。そんな2人でも2度と話は聞きたくないと言っていた。


最近は、自身の下の世話迄言い出す始末で、もはやハラスメントどころの話ではなくなってきている。長男の嫁ならば介護や世話も当然やるものだと覚悟して紹介してきているんだろうな?

更には、親の面倒は当然、旅行やらリフォーム代金とかも面倒みてもバチは当たらないだろう?等も言い出してきた。


ゲスの極みである。


残念なことに母も似たりよったりで、未だに戦時中満州での苦労話からロシア大嫌い、途中から言葉が北京語と日本語が混じってくる(4歳から12歳迄満州滞在だっただけで純粋な日本人なのに)。これはどうやら気に入らない合図らしく、わざと嫌がられるように仕向けているとの姉妹より解説があった。

そもそも江戸っ子気質な日本橋の産まれで火事と喧嘩に祭りが大好物な人である。早口で短気で負けず嫌い。もうじき卒寿だというのに口だけはまだまだ達者である。


そんな両親なので決して真似をしたいとは微塵も思わない。兄弟姉妹は次に両親と会うのは葬式だと言って憚らない。


やはり年号をいくつか跨いで生きてしまうと時代についていけない人間も出てきてしまう。そんな人達は早々に鬼籍に入るべきなのだろう。老害は百害あって一利なしである。