「失礼しま〜す、、、」ギャルが腰低く教室に入ってきた。教室長は誰だか分からず戸惑っている。

ふと見ると、大学受験から専門学校に進路変更したので中途退塾となった元生徒だ。地元でも底辺高として?名前が上がる高校にも元気に通い、見た目はメイクも強め、ネイルもスカルプの7cmくらいを日常的につけている。そんなであるが、根は体育系なのか?アルバイト先で鍛えられているのか?挨拶と敬語はしっかりしており、そこらの中学生なら見習って欲しいくらいしっかりしている。


「あぁ!先生!土曜日なら居るかと思って来ちゃいました!無事卒業出来ましたよ~(笑)ハイ!卒業証書!」私の顔を見て安心したのか?いつもの彼女に戻った。「あと、文化も無事受かったので、しっかり勉強します!」との事。

服飾を学びたいとの事だったので、女子大の服飾に進むのか?一般大に進みアルバイト等でデザインやアパレル一般に携わるのか?色々悩みながらも大学受験の勉強をしていたが、本気で服飾なら文化に進学するのが良いのでは?とアドバイスし、ただし入学してから課題は大変だし、ミシンや道具揃えるだけでもけっこうお金かかるし、専門学校の割には遊べないよ!それでも頑張るのなら文化1択で考えてみたら?と話し、しばらくしてから、専門に決めたので塾辞めてバイト増やします!


通っている頃は、まだ進路もフワフワしており、気になっている男子がいるとか、クリスマスぼっちは嫌がったり、JK満喫していないと嘆いたり、卒業式には花束抱えて迎えに来て欲しい!なんて夢を語ったりしていたが、塾を辞めてからは学校のテスト勉強以外はひたすらバイトに勤しみ入学金と学費こそ親に出してもらったが、教材や備品、道具類は全て自費で賄っているとの事。


そっか、お金無いね~。お腹空いたらここにタカリにくればいいし、作品出来たらここに売りつけに来るんだよ!オジサンの誰かが買ってくれるから(笑)

彼女も笑いながら、お願いいたします!と深々と頭下げていた。


そう言えば、クリスマスや卒業式どうだった?


結局なんも無かった。寂しかった。いや、友達と楽しかったけど予定は無かった(泣)


せめて卒業式くらい、連絡くれたらオジサン3人くらいで花束くらいなら用意したのに、、、


えぇ~、言っとけば良かった(笑)でもオジサンばっかりなんだ、、、


そんなこんなで授業時間になったので、彼女はまた顔出します!と笑って帰っていった。


そう、その笑顔があればどこででも頑張れる!



教室長はすっかり忘れていて、また見た目も通塾時よりパワーアップしていたので話に入って来られず。それでも、卒業生がこうやって顔を見せに来るのは嬉しいものだと感心していた。来年も同じように笑顔が見られるように頑張らないと!



中にはあまり嬉しくない卒業式だった生徒もいることだろう。ただ、前向きになるには周りの助力も必要だが、最後は自分自身である。転んでも立ち上がる!不登校を選択したなら、その選択に覚悟を決めて、後ろ向きになってはいけない!寝転んだまま誰かの助けをただ待つのではなく、自ら立ち上がろうとする気持ちは大事にして欲しい!