一人暮らしにわくわくしながら上京した私は多くの出会いを迎え入れた。


真っ青な空、大学の入学式は快晴といってもいいほどの気持ちいい日だった。

みんな、大学でしたいことをいろいろ考えながらその場にいた。

もちろん私も同じ。


大学でしたいことはたくさんあった。

その中でも私の中で一番輝いていた夢・音楽だった。



ずっと好きだったずっと思い描いていたバンドというものにあこがれて、サークルは迷わずバンドサークルに入った。




入学式から一週間は大学はお祭りみたいだった。

勧誘やら歓迎会やら予定はどんどん入ってお金はどんどんなくなっていく。


うちのバンドサークルもそれと同じ。

歓迎会で早速一年の歓迎と紹介を兼ねたライブのためのバンドをみんなで組んだ。


私はいくつかバンドを組んだ。

ピアノも少し弾けたのでピアノも引き受けた。


その中で自分がボーカルのバンドはひとつ。

生の音で歌える。それがなによりうれしかった。


もちろん知らない先輩方を誘うのは難しく、好きなバンドの名前をスケッチブックに書いて掲げ、

それをみた先輩たちが集まるという形をとった。


そこで自分の好きな曲について熱く語る私の頭をなでてくれた先輩がいた。

「好きなんだねぇ。」


私は人の名前を覚えるのがとにかく苦手で私はその人を

「いいこいいこしてくれる先輩」となずけた。


ここで多くの出会いを果たす。

外人みたいな顔した日本人うあら、学生じゃないけどサークルに入ってきたギタリストなど・・・・。


その中で私はこの

「いいこいいこしてくれる先輩」と、

一般的にいう

「大恋愛」をすることになる。


そのときはまったく予想していなかった。


私には地元から一緒に上京した彼氏がいたし、その人とずっと一緒にいると思っていたし、

何より、私が浮気をする、人を裏切る行為ができるとは思っていなかったから。


中学、高校と男運は悪く、二股された経験がたくさんあった。

二股されてることに半年以上も気づかないほど私は一回はまると周りが見えなくなる子で、

そうやって裏切られたことに対して、許すことが出来ず、ましてや自分は絶対しないと思っていた。


された側の辛さを私はしっていたから。


けれど、私はこの「いいこいいこしてくれる先輩」との出会いによって

その辛さを与える側になり、自分を落としていく。

今の自分が嫌い。

今の私は嫌い。


今の自分を、私を全て愛してあげたい。

それだけのために書いていくのかもしれない。

書き終わった後に何が起こるのか、私はどうなっているのかわからない。


過去を歩きながら

私は今という時間を歩いている。



ここに書き続けることに終わりはない。

通過点でしかない。


今を、生きていくために必要な過去を見つめたい。