仁木氏館

【築城年】不明 【築城者】仁木氏? 

【遺構】堀・土塁 【形態】居館 【別称】なし

 

 

【歴史】

築城年は不明。中世に伊賀国の守護大名をつとめた仁木氏が築き、居住したと云われています。

仁木氏は清和源氏・足利氏の一門という名家でしたが、戦国時代に入ると伊賀国内の土豪層に圧迫されて没落しました。

それに伴いこの館も廃城になったと考えられ、現在は臨済宗・三田寺の敷地になっています。

 

【構造】

居館とはいえ、伊賀盆地を一望できる台地上に位置し、近江国信楽に通じる街道(現国道422号線)がすぐ近くを通っている事から、要衝の地に築かれた事がわかります。

縄張りの形態は不明ですが、館の北側には館を囲っていた高土塁と空堀の一部が残されています。

 

 

【感想】

館が台地上に位置するため、伊賀上野駅からなだらかな坂道のようになっている国道422号線を延々登っていった記憶があります。

恐らく比高はそこまでないものの、立地からある程度防衛も考えた上で築かれたような印象を受けました。

 

遺構に関しては一部とはいえ、館を囲っていた土塁と空堀が残されているのは嬉しいですね。

しかも土塁上には樹木が生えておらず形状が把握しやすかったのがありがたかったです。

 

【住所】

三重県伊賀市三田1897

 

【交通アクセス】

JR関西本線伊賀上野駅下車。国道422号線に沿って北に徒歩20分。三田寺が目印です。

 

 

         ↑東側から仁木氏館を望む。

国道422号線を途中から脇道にそれてしばらく進んだ地点から撮影。

写真奥に見える屋根が三田寺なので仁木氏館はこの台地上に築か

れていた事がわかります。

 

 

          ↑北側に残る土塁と空堀

訪れた時期が悪かったのか(5月中旬)空堀は雑草に覆われていましたが、

土塁は形状が把握しやすかったです。単なる居館にしてはしっかりした造り

という印象を受けました。

 

【訪城年月】平成28年(2016)5月