☆ダッフィー
この物語の主人公。犬(たぶん)。見た目は大型犬であるが犬らしくない性格や行動の持ち主。
人の喋ってることは全て理解しているかのような振る舞いをしている。
名前はお母ちゃんが とあるテーマパーク好きであった事から名付けられたが、本当は女の子が欲しかったため男の子の名前は考えておらず、適当に名付けられた。

☆わーくん
この物語のもう一人の主人公。一応ダッフィーの飼い主。ダッフィーから見たらお母ちゃんであるが、こどものような心と大人の心を持ち合わせている不思議な性格の持ち主。ダッフィーのこととなると目の色が変わる。
ただダッフィーと二人のときは子どもに戻る。とにかく不思議キャラ。

☆オレ
一応わーくんの夫でダッフィーの飼い主。この物語の語り手。わーくんにとても酷いことを過去にしたので、ダッフィーを飼うことになった。わーくんとダッフィーの関係には目をつむっている。

☆バロン
ダッフィーの弟。津波でひとりぼっちになった子。



【ダッフィーとの出会い】

ダッフィーとの出会いは とても運命的?とは言えない偶然な感じで始まった。
小さい頃から犬を飼いたくてどうしようもなかったわーくん。
結婚するなら犬の飼える一軒家で庭があることが条件。
そのため小さいながらも家を建て、犬を飼える環境は整った。
ただ、肝心の犬がいない。
今まで犬を飼ったことのないわーくん。
愛護センターへ見に行くことに。


『いろんな子がいるもんだなー』と見ていると
子犬の飼い主の募集があるとのこと。

しかも長ければ2年先まで予約でうまっている。

『まあ、ちょうどいいか』と、わーくんに押され申し込みをするオレ。
まだ先の話だというのに、もう犬が来る気になっている わーくんは 毎日のように
『犬まだかな、まだかな』と落ち着かず、
『まだ2年後ですけど…』
とは言えないオレ。
毎週のようにセンターへ通って
『この子かなぁ。あのこかなー。』
って
『わーくん、まだ待ちますけど…』

━数ヵ月後━

1本の電話が。
『今週、子犬譲渡できますよ』
って。
『??え!2年後じゃないの?!』
『今週でよければできますよ。』
『…あー、ちょっと待ってください』

って、隣で目をキラキラさせてルンルンしてる人がいますけど…
『わかりました。今週伺います。』

というわけで2年のはずが、たった数ヵ月で犬を飼うことに。
『まあ、子犬だし いいか』と心に決めてゲージや首輪を準備して隣を見ると
『あのー、わーくんまだ来てないけど、あなた羽はえてますけど…』うかれすぎでしょ。


そんなこんなで譲渡日当日。4組の家族が来ていた。
『へぇ、今日は4組なんだ。みんなおじさんやおじいさんなんだなあ。』
まだ当時20代の夫婦だった わーくんとオレ。
若い人はいなかった、、場違いか?

いよいよ子犬との対面
『おい!さっき外で見てたでっかい犬じゃん!』

そこに来た子犬?は既に中型犬くらいある子が三頭と柴みたいな子が一頭。
その中で大きな子犬の男の子が一頭と女の子が二頭。男の子は なんか激しく尻尾をフリフリはちゃはちゃして
『ぼくでつよー、かわいいでつよー!』
ってアピールしてますけど。。

『まず、こいつはないな』と思うオレ。

その隣で『わぁ、わんこだー!女の子だ!かわいい』ってテンションMAXなわーくんいますけど。

『女の子もデカイでしょ…』って心でつぶやくオレ。
なんせ わーくんは初めてのワンコだから、この中で飼えそうなのは柴みたいな子しかいないけどな。
うーん悩む。
その前でデカイ男の子はまだはしゃいでまして、ジョジョジョーって。
『おしっこしましたけど。』
ガフガブって
『女の子たちに噛みついてますけど。』

ぜったいこの子はないなぁと心に決めたオレ。
その隣で
『うーん、こっちの女の子もかわいいし、こっちもかわいい』
って、『まだ悩んでんのかい!だからデカイでしょ!』とわーくんにツッコミいれたくなるオレ。

職員さん『そろそろ決まりましたか?他の方は決まったみたいですよ』

『えー!えー!みんな決まったんかい!しかも残ってんのあのデカイ男の子だけじゃん!』

『かぶってたらジャンケンでもいいですよ』
って
『おとなげないじゃん!それじゃ!』

『ぼくでつよー、かわいいでつよ~』
って
まだはちゃはちゃしてるし。

『無理だ、絶対無理。この子をわーくんが飼うなんて絶対むりー!!』
と心で叫んでみたが
優柔不断なオレ発揮、仕方なく
『じゃあこの子で…』
って何言ってんだ、オレ。

『良かったですね。丸く決まりましたよ』って職員さん。

不安…不安…不安…オレにはそれしかないよ。

『ぼくでつよー。たのしいでつよー!』ってまだはしゃいでますけど。

『じゃあ、それぞれ子犬を抱いて下さい』ということで抱っこ。
『お、おもい。。』
既に11キロ。わーくん大丈夫か?不安は大きくなる一方。
ヨッコイショと子犬を抱いて歩くわーくん。
『大丈夫か?なんでずっと抱いてんだ?』
『だって職員さんが抱いていってくださいって言ったから。』

そういうところは守るわーくん。
でも11キロは重いだろ。すっごく疲れてますけど。
いざ家へ!車の中でも抱いてます。
『そいえば名前何にするの?』
『女の子だとばっかり思ってたから男の子の名前は考えてない。』
っておい!どんな子来るかわかんないんだから考えておきましょーよ。

『じゃあ、ダッフィーね。』
ってさらにオイ!早っ!まあ、いいか。

『ダッフィー』
さっそく名前を呼んでみるわーくん。

これからどうなることやら不安の中で帰路につき
そんなこんなでダッフィーとの出会いはとても急な転回で始まって、この先の不思議で変わった生活へと進んでいくことになるんですが…
今はまだわかっていなかった、わーくんとオレ。



【ダッフィーがおうちにやって来た】
車の中、家までの道のりは わーくんの膝の上でおとなしくしていたダッフィー。
『よし、家についたぞー!』

うぺっ、うぺっ、う、う、
プシャーっ!!
ぎゃーっ!

『どした?!』
横を見ると頭から全身ゲロゲロまみれのわーくん。
『すっきりしたでつ。ん?どちたでつか?』
って ダッフィー。
センターで最後の晩餐したのか、大量のごはんが、わーくんにかかっていました。
『わーくん大丈夫か?車がゲロまみれじゃん!』
と一応わーくんを心配しつつ車の心配する酷いオレ。
まあ仕方ないということで、わーくん気を取り直して着替えしてこれからワンダフルなライフの始まりだー!
って、ちょっと待ってください。
事前に準備したクレート、ゲージ、トイレは11キロのダッフィーには小さいじゃないですか!

センターのおじさん、『子犬だから小さいのでいいっ』って言ったじゃないですか。

結局、全て買いなおすはめに。
トホホ諭吉さん、さようなら~

という事で、もう一度気を取り直して いざ!
これからダッフィーとわーくんのワンダフルなライフの始りです