忘れていたの  
もうずっとしばらく

いそがしい日々  
風が時間をとめた





ここに来たかった
ずっと来たかった
あなたといつか…

5月の風吹く丘



『相馬裕子・風の祭日』





5月の風…



この季節になると口ずさむ歌

所々歌詞も抜けて、メロディーも曖昧で


それでも毎年必ず頭の中で何度も再生される






何だか…

呼ばれたような気がして振り向いたら
何もなくて
いつもの景色があるだけの
柔らかい風が吹いた瞬間…




例えたらそんな時に思い出すような感じ





CDを探そうと思えば簡単に見つかるし
手に入れられる


でももう少しこの懐かしい感じを楽しみたい


だって…
15の自分がいる


遠くに海を眺め歌を歌い
人気のない橋の上で陽が傾くまで
いろんな気持ちを吐き出すかのように歌っていた私…


歌うことは好きだったから
楽しかった…



たまに人が現れて
びっくりするやら恥ずかしいやら…




記憶を

日記を読み返すように楽しみたいから





もう少し曖昧でいいな











夕方


自転車に乗ってフラフラと家を出た




思ったより用件が長引き
家を出た時はまだ明るかったのに
帰るときにはもう陽は沈み星がチラチラと…

でも
西の空はまだうっすらと陽の余韻を残していた



青空も、星空もいいけど
昼から夜へ移り変わる時の空もいい…


三日月も西の空に光りだし

このまま家に帰るのも勿体ないから
遠回りして帰ろうと思った




気が付くと…

いつの間にか…


周りが賑やかしい…




虫が奏で、蛙が歌う

そうだ…


それを聴き、星はからだを揺すりながら瞬き
三日月はそれを笑ってるんだ…



なんて事を思いながら
ゆっくり歩いて帰るのもいいかも…と思った



歩くなら一人より二人だろうな…


叶わぬ人をおもって
少しだけ切なくなって



三日月を真似て笑ってみた…