父親は温厚だ。

どれくらい温かくて厚いかといったら
表せないが

私が一人っ子というせいか
ある程度は過保護
いや、親バカと言った方がわかりやすいか。


そんな父親はいつも風呂上がりにパンツ一枚で
牛乳を飲むのが日課で

飲み終わったあとに

プハァーと大きな雄叫びをあげるのをみると

私の中で一日が終わったと思う

ある意味この光景も
私の日課だったのかもしれない。


しかし今日はそんな父のある部分に目を惹かれた。

目にいれたつもりはないが
不覚なことに父のパンツに
目がいった。

それは母が以前私に買ってきたパンツだった。

私は母が買ってくるものが嫌いで
それが例え私が好きなものでも

母の独断と偏見で私の好みを決め
また何かが見透かされているような気がして

それでも今は
妻が買ってくるダサいパンツでも気にせず
それをはいて出勤する毎日だ


きっとその時代はいわゆる思春期などというものか


そんなかわいいものであったかは別として

その私の思春期の対象物をはいている父親を見て

少しながら家族への同情が生まれたのは秘密だ。

それに伴って自分自身の成長を感じた


あの大きかった父が
いつも深夜に勤務先の工場から帰ってきて
あの油臭いを携え
笑顔な姿をみて

いつかはあんな風になりたいと思っていた。



私はそっと小さくなった父の手を
表情の変わることない母の写真と共に
握りしめた。















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