広がる支援の輪 | park42

広がる支援の輪

今日は東京での仕事の後、御茶ノ水で映像作家アンさんとお会いしました。


アンさんは、いままで朝鮮学校の問題や在日問題を長年取材してきた方で、


昨年末、枝川の朝鮮学校で行われたアーティスト・アクションの立役者でもあります。


http://www.artist-action.com/


明日東北ハッキョの取材に行くとのことで、現在の支援活動などについて知っている限りではあるが、


いろいろお話もさせて頂きました。



韓国で朝鮮学校が広く知られるようになったのは、ここ数年のことです。


もちろんその前にも韓国の民主活動家の人たちを中心に朝鮮学校問題に関心のあった人たちはいました。


しかしながら当時は、国家保案法により、いわゆる総聯系とかかわりをもつ事それ自体が


法律で禁じられていたので、おおやけに接触すること自体許されていなかったのです。


実際、日本への留学生や日本で働く人達は、渡日する前に「朝総聯」とは接触するな


と言われていた事もあり、僕たちですら日本に来ている留学生と友達になることもままなりませんでした。


金大中政権になったのち、


徐々に緩和され金剛山歌劇団の韓国公演や朝鮮籍の人たちの故郷訪問なども


実現される事になり、人と人と交流も次第に盛んになっていきました。


特に、キンミョンジュン監督の映画「ウリハッキョ」が公開された後


장편다큐 네이버 카페


韓国でも多くの一般の人々が朝鮮学校に関心を寄せるようになりました。


前にも紹介したかもしれないが、独立系の映画ではそれまでには


考えられなかった10万人という観客を動員した作品となり、


多くの人々が、日本に住んでいても民族の言葉と文化歴史を学ぶ学生たちの姿に感動しました。


朝鮮学校に韓国留学生が訪問するケースも今では珍しいことではなくなりました。


韓国の人たちの中では、それまでに何もしらなった自責の念からか、


韓国でアイデンティティが失われつつある現状を危惧してか、


その発言の中には


「異国の地で民族性を守ってくれてありがとう…」


「私たちが手をさしのべてあげる…」


的な言葉が目立ったのも事実です。



朝鮮学校や総聯同胞からすれば、


「ありがとうと言われる筋合いはない。」


「いままでもそうだったように、これからも自分たちの手で…」


それまで、朝鮮学校を無視し妨害すらしてきたと言っても過言ではない韓国政府と


目の前にいる朝鮮学校を応援したいという韓国人が同じではないことはわかっていても、


違和感を感じずにはいられない数十年の溝がそこにはあったのかも知れません。



また、あからさまに支援するから教育内容に口を出させろ的な提案もあったとされています。


1世、2世、3世…多くの同胞の血と汗と涙の結晶と


朝鮮から送られてきた教育援助費により運営してきたのが、朝鮮学校です。


それは、単純に金額で換算できるものではない。


だからこそ教育内容や運営方針に口を出すような支援は断って当然だと思います。



今回の大地震で東北朝鮮学校は使用できないほどのダメージを受けました。


「なんとしてでも東北ハッキョを建て直さなければ…」


すでに多くの同胞から聞こえてきています。


そして、韓国の朝鮮学校を応援する人たちの中からもこの声が上がっていると聞きました。


それは、前述したような、政治的意図のある支援ではなく、心の底から応援したいという純粋な声だと思います。


なぜそう感じるのか?


それは、その中心人物の面々を見れば明らかです。


すでにツイッターでもつぶやかれているが、


歌手のアンチファン氏,同じく歌手のイチサン氏,俳優のクォンヘヒョ氏が呼びかけ人となり…


そしてキンミョンジュン監督が執行委員長を務めると聞きました。


아이들아 이것이 우리학교다


地震の直後から、支援活動に関して、学校の問題、またまた日本の人たちと協力している話などが


ツイッター上でつぶやかれています。


これらの発信源はもちろん在日同胞です。


しかし驚かされる事は、そのつぶやきが瞬時にウリマルに翻訳され


韓国のツイッターにも情報が行きかうようになっています。


僕にも韓国の人たちから応援のメッセージやRTがたくさん届いています。


これは明らかに、民衆レベルの支援の輪であることを実感しているわけです。


まだ具体的な事は、わからないが、これから、どんな形になっていくか楽しみ!!


昨日嬉しい知らせが届きまいした。


朝鮮民主主義人民共和国金正日国防委員長名義で在日同胞へ50万ドルの慰問金が送られ


同時に朝鮮赤十字社から日本赤十字社にも10万ドルの慰問金が送られました。



このようにいろんな支援の形に接することで感じることがあります。


それは、僕たち在日は、地震がおきたからと言って、今すぐに帰るところがあるわけではないけど、


決して根なし草ではないということです。



今回の大震災は、国籍や国境,民族そのすべてを乗り越えて助け合うべき姿を教えてくれているとともに、

それでも、国籍や国境,民族とはきっても切り離せない…そんな関係性を教えてくれています。