20年前の運動会の風景がそこにはありました。。。 | park42

20年前の運動会の風景がそこにはありました。。。

「血は水よりも濃い」とよく言われます。

たしかに血をイメージすると濃い感じがします。

病院で「あなたの血液はさらさらですね~」と言われたとしてもさすがに水よりは濃いと安易に想像できる。

もちろんそんな話をわざわざしたいわけではなく…f^_^;

本来使われている意味での「血は水よりも濃い」という言葉を聞いて

それが果してどれだけの意味を持っているのだろうか?

と思う事もあるわけです。

「家族の絆」などの意味で使われると同時に

世の中では、「民族性」という意味でその言葉がよく使われます。

この「血」って何なんだろう?と最近よく思うわけです。



「朝鮮人はいつ朝鮮人になるか知っとるか?」

「え?生まれた時ですか?」


「あほ!気持の問題や。」


「ごほん。それは、異国の地で生まれ育ち…」


「バカタレー!!朝鮮人はな~…」


これは、「晴天長短」の中で出てくる、年配のオモニと若い先生のやりとりの一場面です。

年配のオモニはこう続けます。

「朝鮮人はな~年寄りにやんややんや言われて…刃向って…またやんややんや言われて…刃向って…またやんややんや言われて…諦めた時…朝鮮人になるんや!」

この物語は、20年まえの朝鮮学校を舞台に繰り広げられる在日の家族の物語です。


運動会の開会式で「金日成将軍の歌」が流れると、アボジが立ち上がり

「おー。久々やな~この歌まだ覚えてるかな~

…チャ~ンベッサンチュルギチュルギ

…あれっクリウムとクイルムどっちが先やったかな~

…あ~やっぱりクリウムが先やったわ~…

…ア~アクイルンド~ピンナヌン キムイルソンチャング~ン音譜

まだまだ歌えるな~!!」


歌が終わるともう一曲始まり…

「なんやこの歌?…あ~キムジョンイルの歌か~…世代的に知らんからパスしますわ」


と誰がきいているわけでもないのに一人歌わないことを宣言し座る。



非常に難しく微妙な問題を、よくこんなにさらっと描けたもんだな~と関心するばかりでした。

これはほんの一部分にすぎないのですが、60分の作品の中に随所に考えさせられるセリフが盛沢山でした。

気に入ったシーンをあげたらもうキリがありません。

明日(もう今日ですね)にもう一度公演があり、審査があります。

朴英二ブログ

本日公演の後審査員をまじえてのトークがありましたが、あの柄本明さんも審査員だったんですね~∑ヾ( ̄0 ̄;ノ

審査員の感想の中にこんな言葉がたくさんありました。

「羨ましいよね」
「日本では家族が崩壊しちゃってるから…」

この物語もたしかに20年前の話なんで…今はかなり違ってはいるものの、いわゆる「家族」というものは今ものこっていると言えます。

日本人からみた在日社会がどのように映っているのか大変興味もあったので、そういう意味でも目から鱗でしたね。

本日ラスト公演

下北沢「劇」小劇場にて16時より~

朴英二ブログ

19時~公開審査会がおこなわれます。

僕は仕事と別件でいけませんが、「晴天長短」が最優秀賞を受賞すること心よりねがっています。