CAST
YUI 塚本高史 麻木久仁子 岸谷五朗
監督・・・小泉徳宏
《Story》
雨音薫16歳。
太陽が昇ると眠りに付き、太陽が沈むとギターを片手に、駅前の広
場で歌い続ける。学校にも行かず、昼夜逆転した生活を送る孤独な
彼女は、太陽光にあたれないXP(色素性乾皮症)という難病に侵
されいた。
彼女が生きがいにしていたのが、歌を歌うこと。
そんな彼女に、人生を大きく変える出来事が、彼女の部屋の下に佇
むバス停で待ち受けていた・・・。
《感想》
動物、子役には勝てない。俳優達の不文律。
その不文律に一文加えたい。
動物、子役、新進気鋭のミュージシャンには勝てない。
この「タイヨウノウタ」は、昔から脈々と受け継がれてきた、夢、
難病、純愛、夢を織り交ぜたプロットだ。最近では「世界の中心で
愛をさけぶ」のヒットが記憶に新しいが、それだけを取るとあまり
に面白み欠ける作品に見えてくる。番組宣伝を見ていても、二番煎
じ、三番煎じにしか見えなかった。この作品を観たのも、調度良い
時間の映画が無かったため足を運んだに過ぎない。しかし、鮮度を
完全に失ったプロットは、類稀な才能も持つ「YUI」という新人の
ミュージシャンを主役に据えることで、秋に実る果物のごとく、み
ずみずしい作品に仕立てられている。
映画初主演となる彼女の演じ慣れていない青さを全面に押し出し、
彼女の魅力を殺さず、自分の色を出せる俳優を配してる。しかも、
彼女から観客が目を逸らさないよう、メインの登場人物を少数に押
さえている。なぜそこまでして集客力の読めない新人に意を注いで
いるのか。それは、本物の歌の才が備わっており、彼女の歌は人を
惹き付けて止まないからである。歌が彼女の足りない部分を補完し、
足りない部分を魅力に変えているのだ。まぁ、体よく言ってしまえ
ば「YUI」の1時間半におよぶプロモーションVDなるのが、それを観
客に気づかせることなく、あくまで「夢・純愛・闘病」路線に押し
留めている。
この映画の最大の勝因は「YUI」をヒロインに抜擢し、エース勝負
で負けてしまったらしょうがない。っと、腹をくくった製作サイド
の肝っ玉の据わり具合なのだろう。

