1992 DMC World Championship Finals
1992年 DMC World Finel この年は個人的にもかなりの
思い入れのある大会
そしてDMCの長い大会の歴史の中でも唯一異例の大会でした。
前年の優勝者ドイツのDJ Davidの、余りにも音楽性を無視した
スタイルでの優勝劇で幕を下ろした91年大会、
その事により翌年のこの年頃から人々は
パフォーマンス性よりも
スクラッチの音楽性の方に興味が移行し始める。
そして大会のルールにも大きな変化が
札幌のDJ Seijiさん（SPC）との激戦の末、日本大会1位と言う結果で
世界大会の出場権を得た僕は当時のDMC JAPANの
ジョージ鈴木さんよりこう告げられる。
『今年の世界大会でエントリーするDJは最大３人までの
ユニットが可能で、機材はターンテーブルは勿論、サンプラー、
キーボード、ドラムマシーンからCDJ、マイク使って
ラッパーをフューチャーしても良し』
そう聞かされました。
これまでの練習は一人でのルーティーンしかした事はなく
（当時複数で同時にスクラッチをするバンドの様な発想は世間にはありませんでした）
他国のDJ達がどんな事をしてくるのかは全く持って想像出来ませんでした。
そして大会当日、場所はイギリスの首都ロンドン
Ministry Of Sounds
世界２１カ国から集まった各国を代表するDJ達と本気のガチバトルです。
朝１１時に集合って事で現地に行ってみると、
そこにはまだステージも出来て無く
ターンテーブルが届いたのはお客さんが入る開場と同時の午後２時、
この時点でリハーサル、サウンドチェックの類いは一切無しが決定。
いきなりのぶっつけ本番って事でした。
もちろん今みたいに楽屋に練習出来る様な気の利いた扱いもなく
焦ったのを覚えてます。
そして予選開始、各国のDJが終わる度に機材のセッティングをし直すと言う
何とも段取りの悪いなか僕の出番が回って来たのは午後７時頃
DJ台はグラグラで高さも高かったんでパフォーマンスがしずらかったんですが
どうにか大きなミスも無く無事に終える事が出来ました。
しかし始まる前の紹介で
『Next DJ From Japan』
と言うコールがあった時に客席から FUCK YOU って聞こえた時はとても動揺しましたが
プレイが始まったら歓声に変わったんでホッとしたのを覚えてます。
予選での出番が終わり針を外す時に緊張のあまりShure 44Gの針を折ってしまい
予備も無かったんでファイナルに進んだらどうしようかと、
とても心配になりました。
そして予選も終盤、優勝候補筆頭のアメリカのチーム
Rock Steady DJ's （DJ Q-Bert, Mix Master Mike, DJ Apollo）
の３人が現れました。
ステージの回りには多くの記者や関係者で埋め尽くされ僕の所からは
彼等の顔を見るのがやっとの状態
手元が全く見えず彼等が何をやってるのか全くわかりませんでした。
レコードを変えていたら明らかに間に合わないスピードで曲や音ネタが変わって行きます。
当時バトルブレイクスと言うレコードの存在すら無く
彼等が自分たち自ら作ったレコードを使ってプレイしてた事を知ったのは
この後だいぶ時間が経ってからでした。
圧倒的なリズムキープと構成力、時折見せる余裕のポーズで完全に会場をロックした
彼等はダントツの１位で予選を通過します。
２１カ国中ファイナルに進めるのは８カ国のDJ達。
そして予選を通過したのは
香港、デンマーク、 日本、ギリシャ、スウェーデン、イタリア、フランス、アメリカ
の８カ国
どうにか予選を通過する事が出来ました。
ソロでDJをしている出場者でファイナルに残ったのは僕と香港とデンマークの３人だけでした。
今で言うチームバトルとシングル部門がごちゃ混ぜで行われた９２年大会でした。
そしてこの８カ国のDJの６分間の演技が終わり審査結果発表があったのは午前２時頃でした。
１位）アメリカ
２位）フランス
３位）イタリア
圧倒的な存在感とスキルで優勝したROCK STEADY DJ's の影響から
この９２年を境にバトルブレイクと言うレコードを多くのDJ達が使い始め
スクラッチングの演奏を複数人で行うチームプレイをするDJチームがもの凄い勢いで進化を始めました。
そして僕の人生も大きく変わって行きました。
USTREAMやってます
VDJ Ta-Shi Live Video Mix
URLはこちらと
http://www.ustream.tv/channel/dj-ta-shi-live-video-mix
HIKE シアター
http://theater.hiking.to/theaters/DJTaShi?
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