音楽と料理、お金の話 | DJ SWING OFFICIAL BLOG by Ameba

音楽と料理、お金の話

2012 8/3 twitterより引用

プラグインを使うとプラグインの音になる。わかる人にはわかる。

プラグインは料理における化学調味料と同じ。安い、手軽、便利。基本的には天然の調味料をコピーしたようなものだが天然では不可能なことが可能なものもあり。しかし食べれば化学調味料を使っているかどうかは一発でわかる。わかる人には。だから匠の味、職人が天然素材だけで作る料理が生き残る。

だから天然の素材、天然の調味料の最上級品がどんな味かわかっている職人は化学調味料を使って料理したとしても、本来の味に似せた味の料理を作れる可能性はある。しかし本来の味がわからない人間が化学調味料を使うとモロ化学調味料風味なエグい料理に仕上がる。本物を経験しなければ本物は作れない。

だからと言って化学調味料を使った料理が悪いとは思わない。安くて、手軽で、便利。天然の調味料では不可能な複雑で刺激的な味を作ることもできる。が、同時に失われるものもある。コスト、時間、技術をかけて作られる料理のあの繊細な味の奥行き、感動、体の芯から本能的に感じる美味しさとは別物だ。

僕も昔学生のときお金がなくて食費を削ってレコードばっか買ってた時代には、コンビニ弁当、王将、マック、カップヌードルとか食べまくってた。でもそれで体の異変に気づいてまともなものを食べるようになったとき、更にはお金に余裕ができて匠の味を知ったときに、その人工的な味の異常さに気づいた。

そして、そういった本物の味を知り一度完全に排除してみると、化学調味料や食品添加物の味も分かるようになり、これくらいなら大丈夫、これは良くないといった感じに按配が分かるようになってきた。更には天然の素材だけで作るもののほうがトータルで考えると様々なメリットがあることにも気づいた。

この料理と食品添加物の話は、現代の身の回りの様々な事象に当てはめることができる。本物を知らずして本物を否定することはできない。そもそも比較すらできていない。本物を経験すれば、逆にそうでないお手軽なものでも良い部分や、使えるものを判別でき、使い方も分かるようになる。音楽も同じ。

自分が身をもって経験していないことを憶測で判断したり否定したりすることほど愚かなことはない。経験にお金と時間をかけるにはそれ相応のメリットがある。過去の自分に向けて常に自戒の念を込めてここに記しておく。視野を広く向け、探究心、向上心をもってあらゆることを試し、実行していく。

さっきの話で昔学生時代お金が無くてのくだりやけど、例えば自分がボンボンで学生やのに何の不自由もなくええモン食べれてたら気づけなかったことやと思う。お金無い人はボンボンを羨ましがるかもしれへんけど、ボンボン故の不利なこともあるってこと。何事もデメリットをメリットに変えられる。

しかしその一方でお金を使わないと経験できないことや分からないことがあるのも事実。世の中平等な事など無い。よく"時間は平等だ"、"命が平等だ"なんて言われるがそんな訳ない。時間も命もお金で買えるし買われているのが世界の現実であることを知らないとしたら世間知らずだと思った方が良い。

だからお金は必要だし、頑張って稼がなければならない。しかし、お金は貨幣経済におけるタダのツールであることを忘れてはいけない。お金が大事なのではなく、それを介して手に入れられる時間や命、喜びが大事だということ。お金に支配されることほど愚かなことは無い。大事なものは案外身近にある。

@DJ_SWING_JPN