混みすぎ | DJ SWING OFFICIAL BLOG by Ameba

混みすぎ

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只今大阪に向かう新幹線の中。シルバーウィーク初っぱなの為乗車率200%状態。暇なので長いマニアックな機材ブログでも書こうと思います。楽しかった先日火曜日NUTSのことをアップしたかったのに全く時間が無くて無理でした。

なぜならPARTY CLASSICS VOL.4のHIP HOP MIX、R&B MIX、JUICY vol.22の3枚分、計150曲分のミキシングとマスタリングを本日までに仕上げなければならなかったためにほとんど寝ずに水曜日の朝スタジオに戻ってきてからずっと作業してました。
プレスを間に合わせるためのデッドでもあったんですが、今夜から明日のSWEETNESや全国ツアーin九州で丸々9日間都内には居ない為どうしても仕上げる必要がありました。

今回は前回とうって変わってプラグイン一切無しのアウトボードONLYのマスタリングを行いました。

やっと届いたマスタリングイコライザーAVALON DESIGN AD2077の使用が今回の肝。 通すだけで位相感、音像が素晴らしくなるのは以前ブログでも書いた通り。 それだけでも全ての帯域がゴージャスに響く感じになるのですが、EQの効き自体も素晴らしく、正しく自分が思った帯域をピンポイントで補正できるため、オーディオ好きだった子供の頃に戻ったようにしばらく弄くり倒してました。もちろんそれらを正確に再現するモニタリングスピーカーのムジークの恩恵もだいぶ受けてますが。色々試した結果、今回は若干ローエンドと8kHzあたり、ハイエンドをそれぞれ1dBくらい調整しました。

ミキシングに関しても今まではPRO TOOLSの内部ミキサーで仕上げてましたが、今回の3作品はアナログサミングミキシングを行いました。

それぞれの機材については改めてまた詳しくブログでも書きますが、今回のシグナルフローとしてはAPOGEE DA16XでパラってDA→Solid State Logic X-RACK Summing Mixing Systemでミキシング→同じくSolid State Logic G Series Bus-Compでコンプ処理 って感じです。
今回レコーディングのヘッドアンプもX-RACKのSuper Analog Mic Preだった為、SSL XL9000Kのコンソールを使ってレコーディング、ミキシングしたのと同じようなもんですね。

しかもDAはAPOGEEのDA16X、マスタークロックはルビジウムとなるとMIX CDには贅沢すぎる環境ですね。

写真にある青い数字はマスタークロックジェネレーターのAntelope Trinityなんですが数字に注目してください。

上から48.0、44.1、96.0となってますが、要するにこいつは3つの異なるサンプリング周波数の機器を完全にシンクさせ同時走行させることができるんです。

これができるのは2009年9月現在このAntelope Trinityのみです。

Pro Toolsのセッションは48kHz、つまりAPOGEE DA16Xも48kHz、マスタリングプロセッサーのFinalizer 96kは処理能力を高めるため96kHzで、マスターレコーダーのTASCAM DV-RA1000は44.1kHzで全てにルビジウムクロックを分配しながら同時に走らせてプロジェクトを進めました。

こんな高度なことをルビジウムでできるのは本当に素晴らしいと思います。

アナログサミングミキシングされた2mixはアナログのままFinalizer 96kに入り、ADされデジタル領域で様々な処理をし、DAしたものをAVALON DESIGN AD2077にインしEQ処理したものをDV-RA1000にアナログでレコーディングしました。

普通ならG-Compの後AD2077、その後ADしてデジタルでDV-RA1000にレコーディングという流れがAD/DA変換も少なくて済むし理想的なんですが、個人的な印象としてFinalizer 96kのAD/DAはそんなに悪くないっていうのとルビジウムクロックのおかげで高精度なAD/DA変換が可能であろうと予測でき、何よりもAVALON DESIGN AD2077の音をできるだけそのままCDに収めたくて今回の流れにしました。

仕上がった音は以前とは別次元のもの。

位相感が抜群に良く、音にピークが無いシルキーでフラットかつゴージャスな響きのサウンド。

しかもPARTY CLASSICSとJUICYで処理を変えました。

なぜならP.C.は100%アナログ音源、JUICYは80%デジタル音源だからです。
P.C.はレコードの良い音をよりクリア&ラウドに、JUICYはデジタル音源がまるでレコードのようになるようアナログ領域で結構レベルを突っ込んでます。良い感じに歪んで凄い音になってます。笑
レコードに限らずオープンリールやヘッドアンプだろうが何だろうがアナログ回路というのは音が通過する際に必ず歪みが加わります。 そのアナログの歪みが人間が音楽的に感じるひとつの"良い音"ととらえられているのはある意味不思議ですよね。

だって自然界には音に歪みは無いから。

その歪みはアナログに比べて圧倒的に少ないデジタルですが実際人間が良い音と感じるには何かが足りないのは確か。

音楽と機材のテクノロジーって確実に密接な関係があるしテクノロジーの進歩に合わせて音楽もどんどん進化していく。

デジタル全盛の時代にアナログを求めるのはその音に普遍的な何かを感じるからではないだろうか。

というわけで次回のスタジオ機材トピックではアナログテープレコーダーのSTUDER A820について書きたいと思います。

今まだ名古屋。混んでるといつもより長く感じます。